自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

2010-01-01から1年間の記事一覧

どんな暮らし方をしたいか? どんな家にすべきか?

以前、どこかで読んだ話に、「どんな家・間取りにするか、の前に、どんな暮らし方をしたいのかが重要だ」というものがありました。つまり、「こんな暮らし方・住み方をしたい」がまず最初に有って、「その為にはこんな家・こんな間取りでなければならない」…

土地売買手数料の不思議

法律で認められている事なので文句を言ってもどうにもならないんですが、土地を売買する際の仲介手数料については、おかしなルールがあるものだと以前から思っていました。 ご存じの方も多いでしょうが、宅建業法では土地を売買する際の仲介手数料として、「…

太陽光発電パネルに対する各種の補助

来年度(2011年度)の太陽光発電パネルへの補助金がどうやら決まったようです。 1kWあたり4.8万円、対象はシステム価格が1kWあたり60万円以下のシステムです。 というわけで、今回は太陽光発電への補助について。 1.何のために補助があるのか? 根本的な話…

1,000万円超のジャンク品

今日は久しぶりに土地の話。 私はよんどころない事情で建築計画を中止していますが、中止する前に土地探しをしていたとき、土地に関して非常に不思議な業界慣習があることをハウスメーカの営業さんから聞きました。それは、 境界確定は土地の購入者側の仕事…

窓があると寒い家になる?

窓は住宅の「開口部」と言われ、室内から逃げる熱の主要な経路とされています。その為、冬に暖かい家を作りたいなら、なるべく開口を(つまり窓を)小さくすべきなどと言う意見も散見されます。そう言った意見は、「窓がないと採光も不足するから、無くすわ…

FASの家で潜熱蓄熱材を増やす思考実験

FASの家は謳い文句に反して熱容量は不十分と結論づけましたが、一方で床下に潜熱蓄熱材を放り込めば簡単に蓄熱性能を上げられるという特長も持っています。コストの壁はあるにせよ、やろうと思えば出来るのは利点です。 では、どのくらい潜熱蓄熱材を追加す…

換気量と二酸化炭素濃度

FASの家では、換気回数を減らしても良いと言う特殊認定を取ろうとしているようですが(こちらの記事の末尾に記載)ようですが、それに関してちょっと気になったのが二酸化炭素濃度です。24時間換気は、そもそもシックハウス症候群対策として法律で義務づけら…

FASの家の調湿能力は十分か?

調湿能力の必要値をラフに計算してみましたが、FASの家の調湿能力はそれに対してどの程度でしょうか? 同社ウェブ・サイトでは以下の様な記述を見つけられました。 延床面積40坪の場合で、床下のスカットール(シリカゲル)は200kg程度。 スカットールは自重…

FASの家の蓄熱性能

FASの家の特徴の1つは、潜熱蓄熱材を使って建物の熱容量を大きくし、パッシブハウスに近づけることにあります。 とは言いながら、ウェブ・サイトには具体的な熱容量の値が書かれていないので、どの程度良いものなのかが分かりません(住宅業界はこういうの…

調湿性能の必要値

FASの家は湿度管理機能を備えている事が大きな特徴の1つです。これはひとえに、「温度よりも湿度が重要」という開発元のポリシーによるもののようです。 では、そもそも調湿能力はどの程度必要なのか? 1.必要な調湿能力はどう考えるか? 調湿能力とは、詰…

基礎断熱

「基礎断熱」という言葉(工法)があります。住宅の熱的な快適性にかなり関わる話なのでちょっと考察してみます。 1.基礎断熱って何? 正確な言葉の定義が分からないのですが、どうやら「床暖熱」に対して使われる用語のようです。 つまり、床に断熱材を敷…

熱容量はどの程度必要か?

過去に必要な断熱性(Q値)はどの程度か?とか、必要な気密性(C値)はどの程度か?について考察を書きましたが、熱容量については同様に大切だと書いたくせに、どの程度が必要かを書いていないことに今更ながら気づきました。 そこで今回は、熱容量の必要値…

FASの家のウェブ上モデルハウス見学-後編-

-中編から続く- 温熱環境の構築という観点では素晴らしい仕様になっている(と見える)FASの家ですが、私が家を建てるなら、という視点で今一度長所・短所を纏めてみます。特に現時点での最有力候補である一条工務店との比較を念頭に置きながら考えます。 …

FASの家のウェブ上モデルハウス見学-中編-

-前編から続く- FASの家の特長を順に見ていきます。全て、FASの家のウェブ・サイトからの情報です。 1.高断熱、高気密、高熱容量、湿度管理の4拍子が全て揃っている 単に断熱性が高いとか、単に熱容量が大きいという話なら、他にもいくつか優秀なハウス…

FASの家のウェブ上モデルハウス見学-前編-

先日、潜熱蓄熱材について調べていたときに偶然見つけたのがFASの家(ファースのいえ)です。これはいわゆるフランチャイズ方式で展開しているもので、株式会社福地建装という工務店が技術開発を行い、その成果を全国の工務店にライセンスする形式を取ってい…

潜熱蓄熱材の使用事例

以前、建物の熱容量を大きくするために、潜熱蓄熱材を活用できないかという話を書きましたが、その実例を見つけました。FAS(ファース)の家です。 これは潜熱蓄熱材以外も含めて非常によく考えられた家と感じましたが、ここでは潜熱蓄熱材の活用に絞って見…

エネファームは未だ早い

太陽光発電と並ぶ「自宅発電」として少しずつ注目を集めているのがエネファームです。実は私は(現状の)エネファームには否定的な意見を持っているのですが、今日はそれを書きます。 現状のエネファームの課題(=私が否定的意見を持っている理由)は下記で…

太陽光発電の価値(3)

-(2)から続く- 今回は遠い将来の話を想像してみます。20年後に興味が無い人は読むだけ無駄ですのでご注意を。 5.補助金終了のずっと先にどんな時代が訪れるか? そもそも太陽光発電による発電コストは、現在でも安いものなら電力会社から購入する電力…

太陽光発電の価値(2)

-(1)から続く- 3.補助金と売電の今後 環境負荷が低いとは言え、何故コストの高いものをわざわざ税金をかけてまで普及させるのかというと、エネルギー問題の緩和のためでしょうね。日本という国の立場で言えば、二酸化炭素増加への対策もさることなが…

太陽光発電の価値(1)

今回は太陽光発電の意義について考察します。 と言っても、補助金やら売電やらを踏まえてどういう場合に元が取れるかといった話は既にあちこちで書かれているので、もうちょっと大局的な視点で考えてみます。あんまり風呂敷を広げすぎると手に負えないので、…

一条工務店のハイブリッド免震と長周期振動

私が免震住宅を購入するとしたら、それは多分一条工務店のものになるでしょう。(他のメーカで建てることになったら、費用的に免震を断念することになると思われるので。) 一方、前回考察した通り、一条工務店方式だと共振現象に注意が必要です。免震機構に…

免震工法の比較

費用を別にすれば、地震対策の観点では免震工法がベストの選択と言えますが、免震工法の中にも何種類かあるので、それぞれの利害得失を考察します。 1.比較時の着目点 そもそも免震装置が備えているべき機能は以下の3つなので、この3点に着目して比較して…

耐震性と共振周波数の関係-後編-

-前編から続く- 3.共振周波数と地震対策 地震の揺れの周波数が建物の共振周波数に近いと、建物が「効率良く」揺れてしまい、倒壊の恐れが高くなります。従って、その条件が成立することだけは何としても避けねばなりません。 (1)古の住宅 昔々の筋交…

耐震性と共振周波数の関係-前編-

今日の話はちょっと難しいです。その名も「共振周波数」という難しい用語が登場します。今回は「共振周波数」という概念を使って、地震対策を読み解いていきます。 1.共振周波数とは? なるべく分かり易く共振周波数の概念を説明しましょう。 先ず、竹ひご…

耐震と制震と免震

地震の多い日本で家を建てようという人の中に、地震対策を気にしない人は居ないと思います。 今回は大きく3つある地震対策について思うところを書いてみます。その3つとは、多くの方がご存じの通り、耐震、制震、免震、です。 1.耐震 建築学で言う正確な…

窓からの日射量を概算する

無暖房住宅にできるだのできないだのと言う話を書きましたが、そもそも冬に無暖房にできる為には、十分な日射量が取り込めねばなりません。それ無くしては、建物の熱容量だの何だのは全く無意味な議論です。 では、普通に考えて、どのくらいのエネルギーが取…

もう一つの蓄熱手段

省エネのためには大きな熱容量が必要なのですが、これは昼間の太陽熱を建物躯体に十分に蓄えることで、夜間の暖房を最小限に済ませる(究極的には不要にする)ことを狙ってのものです。 今までは快適性との両立という観点で、建物躯体に蓄熱するアプローチを…

高断熱・高熱容量の木造は快適か?

これまで、高い断熱性が必要だ、とか、それだけではダメで高い熱容量も必要だ、などと書いてきました。それ自体は正しいと今でも思っていますが、はて、それだけで足りるんだっけ?を改めて考えてみました。 1.前提 当然ですが、家全体を快適な温熱環境に…

床暖の利害得失

今回は暖房機器としての床暖の利害得失を考えてみます。 最近は、立場によって(つまり前提とする建物の性能によって)良し悪しの評価が異なる気がしてきました。 1.加熱手段としての良否 快適性の観点から言うと、輻射による加熱がベストです。これに異を…

なんちゃってセントラル空調

家全体を8畳用程度のエアコン1台でまかなえるはずであること、また私が空調音が嫌いであることなどから、セントラル空調で上手くやる方法を考えてみます。 スタート時点での考え方を整理するとこんな感じ。 能力的には小型エアコン1台で家全体の空調をまかな…