自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

寒いのに暑いのは何故か-前編-

夏のこの時期には、「冷房効き過ぎで寒いんだけど、何だか暑い」という不思議な不快感を体験することがあります。逆に冬は、「暖房効き過ぎで暑いくらいなのに、寒々しい感じが抜けない」という逆方向の不快感を感じることも。
そんな、「何だか得体の知れない不快感」の正体を考察しました。

1.湿度が適正でない

暑さ寒さの感じ方に湿度が関係するのは広く知られています。わざわざ書くほどのことではないかも知れませんが、一応。

暑いとき、人間は汗をかき、汗が蒸発するときの気化熱を利用して皮膚の表面温度を維持しようとします。汗が蒸発しなければ、皮膚の温度は上がってしまいます。なので、気温が同じでも湿度が高いと汗が蒸発し難く、温度以上に暑く感じるわけです。

私はその昔、アメリカの西海岸に行ったことがありますが、あそこは夏には空気が極端に乾燥します。日本の夏とは対極的にカラッとした気持ちの良い暑さです。気温が35℃にもなるというのに、「もっと暑くても良いぞ」と思ってしまうほど、気持ちがいいのです。汗も大量にかいているはずですが、かいた汗はたちまち蒸発していくため、服が汗でぐっしょりなどと言うことはありません。肌はいつもサラサラです。
日本に住んでいると想像できない、「さわやかな暑さ」です。リップクリームは欠かせませんが。

暑いときの湿度の影響は良く知られていますが、逆に、寒いときの話はあまり意識されないように思えます。
冬には汗をかかないから関係ないかというと、そんなことはありません。冬に皮膚が乾燥して荒れて困る人は多いと思いますが、何故乾燥するかというと、皮膚の表面から水分が蒸発しているからです。そして、水分が蒸発している以上、物理法則に従って気化熱を奪い、皮膚の温度は下がります。なので、乾燥している空気は、気温以上に寒く感じる原因になります。

冬の方は知名度が今ひとつにしても、湿度が快適性に影響する事自体は良く知られています。しかし、それをどうにかしようという住宅は、あまり見かけません。私が知っている範囲ではFASの家くらい。他には、高気密健康住宅研究所が関わっている住宅ではかなり意識的に対処しているようです。何れにしても、全体から見るとごく一部だけ。
こんな良く知られている課題に対してすら、正面から取り組んでいるメーカはごく一部というのは何とも頼りない限りです。

-後編に続く-