自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

三井ホームの「住まいと暮らしのEXPO 2010」

三井ホームの「住まいと暮らしのEXPO 2010」に参加しました。
ヘーベルハウスの「性能体験見学会」も凄いイベントでしたが、こちらもなかなかの規模です。

東京ビッグサイトの一区画を借り切って、三井ホームのためだけのイベントを開催するとは太っ腹です。もっとも、ヘーベルハウスみたいに自社施設内でやると、対応する方の手間が大変なので、見えないコストまで含めるとトータルではこちらの方が安上がりかも知れません。また、東京電力東京ガスを初め、INAXパナソニックなどの設備メーカ、太陽光発電メーカ(カネカ)といった共催メーカが多いので、その意味でも自社施設内でやるのは難しそうです。

さて、会場に着いたら託児所に子供を預け、早速見て回ります。ヘーベルハウスの時と違って、託児所が随分混み合っています。
展示は色々ありますが、なるべくここでしか見られないモノを中心に見ることにします。

<地盤改良工法>
色々な種類の地盤改良工法についての解説がパネル展示してあります。鋼管杭の実物もあります。
私の住んでいる地域は軟弱地盤が多く、程度はともかく何らかの地盤改良が必要になる可能性が高いので、費用を押さえておきたいところです。聞いてみると、費用的には表層改良→柱状杭(摩擦杭)→鋼管杭の順に高くなっていくそうで、柱状杭で80万円程度とのこと(建物の面積で違ってくるでしょうが)。
鋼管杭は、深いところに支持層がある場合に、固い地層(支持層)に届くまで埋め込んで使うモノだそう。鋼管杭の先端にあるスクリューみたいなのは、設置後に沈み込まないために広い面積で抵抗にするものかと思っていたら、単に杭を地面にねじ込むためにネジが切ってあるだけなんだそうですね。支持層に届くまで埋め込むので、摩擦で耐える必要はないとのこと。納得。

<遮音性能>
壁一枚隔てたトイレの水洗音が聞こえ難いです、というデモと、2階の床にモノを落としたときの衝撃音が1階に伝わり難いです、というデモの2種類。特に2階音のデモが面白かった。
世間で標準的な2×4の天井構造の場合、三井ホーム標準の場合、三井ホーム遮音天井の場合、三井ホームスペシャル遮音天井の場合、のそれぞれの違いを体感できます。デモのための仮設部屋の天井にゴルフボールとソフトボールを落下させ、室内で音を聞くという趣向。
2×4標準天井は、天井構造材に1階天井と2階床の両方が結合されているので、さすがにばんばん音が伝わってきます。以前、「2×4は音が家中に伝わり易い」と聞いたことがありますが、多分これのことを言っているのでしょう。
三井ホーム標準は1階の天井を吊るための構造材が別に配置されていて、2階床と分離されています。でも、正直言ってまだ聞こえすぎ。遮音天井では遮音用のグラスウールが入り、やっと「これくらいなら我慢できるかな」という感じになります。
スペシャル遮音天井は実は2種類あるそうですが、デモされていたのは一番高性能な仕様。2階床の下に吸音マットのようなモノを敷き込んだ形式ですが、これは良いです。音が「遠くから微かに聞こえてくる感じ」になり、これならまず気になりません。もともとは上下分離式の二世帯住宅において、世帯間の生活音を漏らさないために開発されたものだそうです。

<高断熱屋根パネル>
三井ホームでは天井ではなく屋根で断熱するのが標準だそう。DS(ダブルシールド)パネルという厚さ162mmの発泡断熱材を合板(木質チップを接着剤で固めたもの)でサンドイッチしたものを屋根材として使います。何がダブルなのかと質問したところ、2枚の合板でサンドイッチするからダブルなのだとか。ネーミングはイマイチの感あり。
ともかく、屋根断熱なので小屋裏が快適に利用できること、また、利用しない場合でも、小屋裏に熱気が溜まらないので、居室の快適性も保ちやすいとのことです。
小屋裏を利用するかどうかに関わらず屋根の施工方法が変わらないので、現場の管理が容易になる副次的な効果もありそうです。

<Gフレーム構造>
極太の柱と梁を金具で剛結合することで木質ラーメン構造とし、大開口を実現するというものです。「へー、三井ホーム凄い」と思いましたが、後で調べてみたら、住友林業積水ハウスシャーウッドでも同様の商品は持っているんですね。ただ、実現できる開口部の大きさでは住友林業やシャーウッドより大きいようです。最大で幅7.5m×高さ5.4mの開口というのは、家一軒の1面(1階から2階まで連続して)が全部開口に出来る程の大きさです。ビルトインガレージとして使うなら、車3台が並んで停められるサイズが造れるとか。やっぱり凄い。
会場には実際の一軒家の構造体が組み上げてあり、そのビルトインガレージ部分にこのGフレームが使われていました。ビルトインガレージ自体は田舎住まいの私には不要なので、ピンと来ない展示になってしまいましたが、巨大なリビングとして作られていたら心が動いたかも知れません。
実際に使う場合の価格はどのくらいなんでしょうかね。余程資金に余裕がある人じゃないと、手が届かない気がして、聞いてみることもしませんでした。

東京電力のIHクッキングショー>
これ、全然三井ホームと関係無いんですが、目黒雅叙園総料理長である近藤紳二さんが出演されて、試食も出来ると言うことで、「ここでしか体験できない!」と思って列に並びました。よくよく考えると、目黒雅叙園に食事に行けばいいだけのことでしたが。
東京電力スタッフの段取りの悪さは傍目に見ても相当なものでしたが、それでも嫌な顔1つせず、2品の料理を作られた近藤さんの話の中で、参考になったのは次の2点。
1つ目は、最近では本職の料理人もIHを使うと言うこと。近藤さんの自宅は数年前にIHにしたそうですし、また、近頃は仕事でもIHを使うことがあるそうです。イベントなどではガスが使えないことがあるとのこと。(多分、本来の調理場ではない場所でやるケースだと思います。消防法の規制でしょう。)
2つ目は、IHならばIHに合わせた料理法に変えてしまえば良いと言うこと。例えば、IHでは料理の香りを作り込み難い傾向があるが、だったら料理法を変えて、IHでも香りを作り込むようにすればいいんです、と。でもそれって、あなただからこそ出来るんですよね、きっと。
プロはガスだろうがIHだろうが、どうにでも使いこなすということは分かりましたが、だとすると、素人はガスに頼るのが正解のような気もしてきました。そんなに料理に凝ってるわけではないんですけど。

<その他>
共催のメーカがいくつかあって、パナソニックシステムバスINAXのトイレなども展示がありましたが、他でも見れるのでパスしました。
他にも、インテリアコーナーやリフォーム相談、土地から探す人のためのコーナーなど、いろいろ盛りだくさんの展示会でしたが、同様にパスしました。
川崎フロンターレサッカー教室や工作教室なんてのもありました。多分、退屈する子供の託児所代わりでしょうね。本来の託児所も混み合っていて、昼過ぎには新規受け入れ拒否状態だったくらいです。ヘーベルハウスの性能体験見学会では託児所が閑散としていましたが、こちらは随分客層が違うように感じました。



そんなわけで、ほぼ丸1日かけて三井ホームのあれこれを見て回りました。
ヘーベルハウスと違って、「三井ホームの特長はこれだ!」という強烈なメッセージは感じられず、何でもあり的な、よく言えばバランスの取れた、悪く言えば個性の無いハウスメーカだなという、当初のイメージがより強まったイベントでした。
勉強にはなりましたが、すみません、私達には三井ホームの選択は無いです。