自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

オーブルデザインの「緑の家」のウェブ上見学-後編-

-前編から続く-

 

5.金物工法を採用

柱や梁の接合部が強度の要であるとして、クレテックという接合金物を使っています。但し、SE構法その他の類似金物構法とはどうやら異なるらしく、ラーメン構造ではないようです。(明確には書いてないのですが。)
SプランとSSプラン(普及版)では耐震等級2を、SSプランでは耐震等級3を設計指針としているそうです。

また、構造材には集成材を使用して、必ず構造計算をするそうです。SE構法のような特別なフランチャイズならともかく、木造の一般住宅では極めて珍しいことです。
私としては、この程度のことは当たり前のこととしてやって欲しいと思いますが、残念ながら極めて稀です。

6.部分的に自然素材へのこだわり

柱や梁など構造材には集成材を遠慮無く使う一方で、「住む人が直接触れる部分には無垢材など自然素材が相応しい」として、積極的に床や階段の踏み板、手すりなどに無垢材を使う姿勢です。
こういう根拠のはっきりした自然素材へのこだわりは、私は好きです。

「集成材はダメ、無垢材が良い、自然素材が良い」と主張する他のメーカや工務店などに対し、「接着剤を否定しておきながら、接着剤たっぷりの構造用合板を平気で使うとは矛盾ではないか」と批判しています。全く妥当な指摘です。

何となく、雰囲気で、イメージで、自然だの不自然だのと言う言葉を弄ぶのとは違う、明確な理由に基づく選択がここにはあります。非常に好感が持てる姿勢です。

7.窓の取り替えが出来る

これは高気密健康住宅研究所高気密健康住宅研究所の鵜野日出男さんも同様の主張をされているのですが、今の日本の住宅において、最大の問題の1つが窓が交換できないことなのだそうです。
そもそも、一般的に言ってサッシの寿命は30年くらいだそうです。これが大して問題視されていない理由は、

  1. 建物自体の寿命が30年程度なので、サッシを交換したくなる頃には家自体を取り壊してしまう。
  2. 気密性を気にしない低性能な家に使われた低性能なサッシであれば、ガタがきても気にならない。

というところでしょう。
しかし、このオーブルデザインに限らず、高性能な家を作ろうとする作り手は、同時に長寿命の家も実現しようとしています。そうなると、例えば家の寿命が100年とかになるわけですから、サッシの方が先に寿命を迎えます。しかも、高性能な家にとって、窓は非常に大切な箇所です。断熱性にしても気密性にしても遮音性についても、窓が最大の弱点ですから、窓が劣化することは家の性能の劣化に直接的につながります。従って、窓が交換できることは、何が何でも不可欠な要求事項になります。

ところが、今の日本のサッシは、外壁を全部剥がさないと窓が交換できないのだそうです。これではおいそれと窓を交換することが出来ません。(窓の交換とは、窓枠まで含めた交換のことです。30年後では、同じ型の窓はもう販売していないでしょうから、枠を残して扉の部分だけを交換するわけにはいきません。また、窓枠の側も劣化していて、寸法精度が悪くなっていることでしょう。窓枠も含めて交換しないと、性能が回復しないと思います。)

オーブルデザインではこの課題に対し、一工夫することで、外壁を剥がさなくても窓を交換できる様にしてあります(SSプランだけですが)。具体的にはこちらのページ
どうも、交換作業は室外側からせねばならないように見えますが、足場を組む必要があるのかどうか、細部はよく分かりません。
(上手くやれば室内側から作業出来るのかも。) それでも、外壁を必ず全部引っぺがすことを思えば、随分簡単に窓交換が出来ることは間違い有りません。これは画期的な提案と言えるでしょう。
このアイディアだけ頂いてくるわけにはいかないかしらん。

8.他にも色々

他にも、例えば基礎についても構造計算をするとか、そのコンクリートのN値、スランプ値などをきちんと指定して、長期耐久性を確保できるようにするなど、様々な点に配慮が行われています。
私などは所詮素人なので、「へぇー、すげぇ」で終わりですし、ウェブ・サイトに書かれていない細々したところはそもそも分からないわけですが、それでも、「ウェブ・サイトに書いてない項目についても、細かいところまで配慮が行き届いた設計・施工管理をしてもらえるに違いない」と期待できます。この設計事務所の主張には
それだけの信頼感が有ります。
何だか、この設計事務所に我が家の設計・施工管理を頼みたくなってきました。新潟なんで無理ですけど。

オーブルデザインみたいなところが住居地で見つかれば良いんですけどねぇ。