自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

熱容量を増やす手段-その手があったか-

オーブルデザインという建築事務所のブログを読んでいて、面白い工夫の事例を見つけました。
建物の熱容量を増やすための工夫です。(私が以前書いた熱容量を増やすための考察はこちら。)

それはこちらのページ下の方の写真にありました。
その正体は、床下に水の入ったペットボトルを大量に置いておくだけ。

私も以前、身近な物質で一番比熱が大きいのは水だと書きましたし、その水を含む石膏ボードを大量に使う方法 を考えたりしました。
が、水それ自体を使うのは無理があると思っていました。水を溜めるにしてもパイプで循環させるにしても、漏水が発生したときの被害を考えると、住宅に使うにはリスクが高すぎるなと。

しかしペットボトルを放置するだけとは恐れ入りました。その手があったか。
確かにこれなら漏水の心配はほぼありません。ペットボトルって丈夫ですから。勿論、10年も経てばボロくなってくるでしょうが、交換コストもほとんどかかりません。少々面倒くさいかも知れませんが、数ヶ月かけながら徐々に新品のペットボトルに交換していくのは可能でしょう。
床下に置くだけならオーブルデザインの住宅でなくても、空調を床下に回している方式の全ての家で有効ですが、床下にこれだけの本数のペットボトルを運び込む手間まで考えると、オーブルデザインの住宅ならではの方法かも知れませんね。

この事例では1トンの水(2Lのペットボトルで500本)を床下に置いているそうですが、これは石膏ボードなら4トンに相当する熱容量です。
熱容量の必要値の計算で使った、[kWh]という単位に直すと、1.17[kWh]です。
これで、以前試算した26[kWh]と言う必要値を満たすには、水だけであれば22トンほど必要です。

ふぅ。
やっぱり熱容量って難しいですねぇ。
とは言え、水は価格が(他の建築資材に比べれば)タダみたいなものですから、必要分の極一部でも肩代わりできるのであれば、悪くない話とは言えます。
完璧を目指すと難しいですが、それでもやれることはいろいろ有るんですね。勉強になりました。