自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

二重窓で窓性能の不足を補う-後編-

-中編から続く-

 

5.二重窓は解決策になるか?

ハニカムシェードで結露が生じてしまうのは、ハニカムシェードが熱は遮断できても水蒸気を遮断できないからです。
と言うことは、断熱だけでなく気密性も兼ね備えたものがあれば、解決策になってくれるかも知れません。

二重窓はこの解決策になるでしょうか?

二重窓と言って具体的に思いつくのは、インプラスプラマードといった後付け用の内窓です。これらは(断熱性はあるとして)十分な気密性を持っているでしょうか?
それぞれのウェブ・サイトを見てみると、結露防止と謳っていますし、ユーザの声としても「結露しなくなった」と書かれています。結露しないと言うことは、十分な気密性を持っていると期待したくなります。
しかしよく考えると、この手の後付けの内窓は今の窓がヘボすぎて困っている人が付けているわけです。と言うことは、もともと付いていた窓はろくな気密性のないスカスカの窓だと思って間違いないでしょう。こういう状況では、たとえ内窓の気密性が不十分で室内の水蒸気が継続的に漏れ出したとしても、その漏れた水蒸気は更に外窓の隙間から屋外にまで出て行ってしまい、結果として結露には結びつかないことになります。
となると、インプラスやプラマードが十分な気密性を持っていると断定することは出来ません。(持っていないと断定することもできません。判断材料が不足していて分からない、が正確な言い方です。)
どちらの内窓も短時間リフォームで付けられることを謳っていることから想像すると、大した気密性は無いと考えるのが妥当なのかも知れません。

と言うわけで、いろいろ考えましたが、残念ながら二重窓を寒冷地の結露対策とするのは今のところ無理があるようです。
期待先行で言えば、内窓の施工時にコーキングをきっちりするなどで十分な気密性を確保すれば、可能性はゼロではありませんが。

6.取らぬ狸の皮算用をしてみる

二重窓が解決策になるという確証もないのに、その先のことを考えるのは無意味かも知れませんが、まあいいじゃないですか。書きたかったんだから。
以下は、気密性まで含めて解決策になる二重窓が手に入ったというおめでたい状況が実現した場合に、それを「究極の性能を持つ窓」に仕上げるために、更にこの様なアイディアを付加するのが有効ではないか、という考察です。

(1)間にカーテンやブラインドを設置する
外窓と内窓に挟まれた空間にカーテンやブラインドを設置して、夏の日射対策にする案です。前提が寒冷地なんだから夏の日射対策なんて要らんだろう、という突っ込みは無視です。

本来、この手の日射対策は屋外に設置するのがセオリーです。日射を浴びて熱くなったカーテンなりブラインドなりが室内にあると、室温上昇に直結してしまうからです。勿論、室内設置であっても太陽光を反射して屋外に戻してくれる効果はありますから、室内設置だと無意味とまでは言えませんが、大きく効果が損なわれるのは確かです。

一方、内窓と外窓の間に設置する場合はどうかというと、屋外設置というベスト案に比べると効果は落ちますが、一応室内とは内窓で断熱されています。ブラインドが熱くなっても室温の上昇に直結することはなくなります。
とは言えベストではないこんな案を何故有り難がるかというと、メンテナンスの容易性です。屋外にブラインドなどを設置すると、清掃などのメンテナンスが面倒です。それに比べて、この空間に設置する場合は室内に設置しているのと同じなので、さほど汚れることもなく、台風などの強風の度に固定する手間も不要です。私の様なぐーたら者には欠かせないメリットです。

ちょっと違いますが、同様の位置づけになるのが一条工務店が使っているブラインド内蔵型のサッシです。これはペアガラスの間にブラインドを内蔵したサッシですが、屋外でも室内でもない中間の空間にブラインドを設けるという意味では同様の発想のものです。

こんな発想で、冬の結露対策と夏の日射遮蔽を両立できたらなぁ、というアイディアです。

(2)日射取得率を可変する
これは私のオリジナルのアイディアではありません。どこかのウェブ・サイトで読んだものですが、どこで読んだか思い出せないので、出典を書くことが出来ません。
結露防止の目的と部分的に反するのですが、内窓を開けたり閉めたりすることで、日射取得率を調整する使い方です。

まず、外窓は断熱型のガラスにし、内窓は遮熱型のガラスにしておきます。
冬の昼間、外気温がやや高くて結露の心配が無いときには、内窓を開けて日射を最大限取り込みます。断熱性は低下しますが、それ以上に日射取得が上がって室温上昇に寄与するだろうという考え方です。
夜になったら内窓を閉めて、室温が下がるのを防止すると共に、そもそもの目的である結露も防止します。

一方、夏は日射遮蔽性の高い内窓を閉めて、日射取得率を最大限に下げます。(1)のブラインド案と併用すれば、冷房負荷をかなり下げられるのではないか、との案です。

こんな風に、建物のQ値を多少ですが人為的に上下させることで、快適性を増し、空調負荷を下げることに寄与させられないかというアイディアです。



どちらのアイディアも、言ってはみたものの、二重サッシという大きなコスト増を踏まえると、なかなかペイしないような気がします。成り立つとしたら、あくまでも結露防止のために二重窓が必要だという大前提があって、そのときのおまけとして使える(かも知れない)アイディアというところになりそうです。