自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

さすがのオーブルデザイン

エアコンでの除湿は難しいという話を書きましたが、このあたりの話を踏まえて効果的に空調機を使うためには、エアコンの原理を理解した上で、適切な機種選定をし、しかも適切な使い方をせねばなりません。
それをやっている事例を見つけました。以前紹介したオーブルデザイン(緑の家の設計事務所)です。
 
 
オーブルデザインの代表は浅間さんという方なのですが、どうもこの方は大学時代は工学部だった様で、電気工学だか空調工学だかを学ばれたようです。エアコンには相当詳しい様で、上記ブログにある様に、建築学会の論文集の中でもエアコンに関する調査論文を読み込まれています。その結果、エアコンはこの様に使うのが正しい、という結論を導き出されています。
参考までに抜粋すると、
  • 暖房は効率が最も良くなる定格の半分程度の能力で使うのが良い。
  • 冷房は除湿が充分に行える定格能力の目一杯で使うのが良い。
だそうです。特に冷房を(効率の高い定格の半分程度ではなく、あえて)定格能力目一杯で使うべしという点は、先日私が書いたことと同じ様な事を言っています。もっとも、私の方は何となくアバウトに言っただけなのに対し、浅間さんはエアコンの効率測定値から効率最適点を把握し、その一方で除湿能力についても言及した上で結論を出しており、その考察の深さは相当に異なります。私などと同様であるかの様に並べるのは失礼な気もします。
最初に緑の家を知ったときに、「この人は他とは格が違う」と感じたのですが、その思いをいっそう強くする事例です。素晴らしいとしか言い様がありません。
ここまで踏み込んで空調設計が出来る建築士って、日本に何人くらいいらっしゃるのでしょうかね。みんながみんなここまでのレベルになることは期待しすぎでしょうけど、「エアコンにはその能力を最大限引き出すために必要な使い方のこつがある」ことくらいは、全員に知っておいてほしいものだと思います。