自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

なんちゃってセントラル空調に実例が存在した

随分前になんちゃってセントラル空調なるアイディアを書きました。
当時は「素人の思いつきだけどこんなのが出来たら良いな」程度で書いたのですが、何とそれをやっている実例を見つけました。細部は違いますが、キモの部分はほぼ同じです。
 
YUCACOシステム(ユカコと読むようです)というもので、一般社団法人YUCACOシステム研究会なる団体が提唱する空調システムのことです。何だか怪しい団体の様な感じもしないではないですが、まともな団体です。多分。
代表は東京大学名誉教授の坂本雄三氏。詳しくは知りませんが、住宅の温熱関係の記事では時々名前を拝見する方で、業界ではそれなりに実績を残されているようです。
 
具体的な仕組みについてはヤマト住建のウェブ・サイトを参照頂くのが分かり易いでしょう。実は私が最初に見つけたのはこっちでした。
 
専用の小部屋を設けてそこに家庭用の一般的なエアコンを設置し、そこで集中的に空調された空気を家の各部に送り出すという、キモとなる部分の概念は私がかつて書いたものと同じです。
若干違うのは、換気システムとは直結されていないことです。なので、空調を強めに効かせたいときでも、その分換気量が無闇に増えてしまうなどと言ったことはありません。
また、YUCACOシステム研究会の方の説明を読む限り、床下に積極的に空調された空気を通して、冬期に床を暖めることが必須要件になっている様に感じられます。
 
YUCACOシステム研究会によると、
  1. 2020年には一定以上の断熱性能が義務化される。YUCACOシステムが必要とする断熱性は、それを少し上回る程度に過ぎない。(だからこの部分の追加コストはそれほど大きくないと言いたいようです。)
  2. 断熱性アップ以外のシステム初期コストは100万円程度で済む。(これはダクトやファンのための費用が主のようです。エアコンも1台だけ使うことになっていますが、家庭用エアコンなので大型のものだとしても10~15万円でしょう。全体に占める比率は小さいです。)
  3. 年間の運転コストは5万円以下(暖房、冷房、換気の合計)。
とのことで、何とか全館空調のコストを抑えて、誰もが全館空調を使える様にしたいという意図が伺えます。私の当時の課題認識と同様の動機で作られた様に思えます。
YUCACOシステム研究会の設立は2012年とのことで(社団法人化は2015年)、私のブログの2年後くらい。別に私のブログをヒントにシステムを考えた訳ではないでしょうが。
 
それはともかく、デシカが100万円程度(ダクト工事含む)で付けられることを知った以上、今更このアイディアを持ち出す理由はありません。単に、専門家が考える様なことを思いついたという意味で、密かに胸を張ってみるくらいです。
勿論今でも、悪くないなかなかの思いつきだったと思ってはいますけれど。