自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

Mホームの見学

また新しい住宅会社を見学しました。Mホームです(三井ホームではありませんので念のため)。ここもモデルルーム見学のチラシがポスティングされていました。
 
「モデルハウスオープン見学会」との触れ込みでしたが、訪問するとそこは住宅地の中。明らかに、後で建売として販売する前提のモデルハウスです。
間取りは一般的で癖が無く、家事動線なども考えられています。外観はやや青みがかったグレーのリシン吹きつけ(多分)ですが、部分的に木の外壁が使われていて、いいアクセントになっています。相方はこういうのが好きだそうです。
全体的に、第一印象はいいです。
 
ここもRハウスと同じくUA値とC値を明示しています。この建物は
UA値=0.45[W/K・m2]、C値=0.5[cm2/m2]
で、来月完成見学会を実施予定の別の物件は
UA値=0.51[W/K・m2]、C値=0.4[cm2/m2]
と、明示するだけあって立派な数値です。
また、この建物の一次エネルギー消費量を計算した結果も明示していました。恐らくこのサイトで計算できるものの事だと思います。数値自体の良し悪しはともかく、こういった数値を論じようとする姿勢から、断熱化や省エネにかなり力を入れていることが伺えます。

ちなみにその数値は、
 延床面積        115.93[m2]
 冷暖房一次消費エネルギー 38.2[GJ/年]
 全一次消費エネルギー   65.9[GJ/年]
(太陽光発電19.3[GJ/年]込み)
でした。参考までにドイツのパッシブハウス基準換算では、
 冷暖房一次消費エネルギー   92[kWh/m2・年]
 全一次消費エネルギー   158[kWh/m2・年](太陽光発電無しで204[kWh/m2・年])
となり、それぞれ15以下、120以下でなければならないパッシブハウス基準にはさすがに遠いです。(パッシブハウスに届かなくても十分高性能だとは思いますが。)

空調計画についてお話を伺ったところ、エアコンは2台を使い分けるのがMホームの標準的な手法だそうです。つまり、冷房は小屋裏エアコンで冷やした空気を各部屋に下ろし、暖房は床下エアコンで暖めた空気を各部屋に上げるわけです。暖かい空気は軽く、冷たい空気は重いので、これが合理的です。

しかしこの家では実験的に小屋裏エアコン1台で冷房だけでなく暖房も賄う空調計画とのこと。エアコンで暖めた暖気をファンで床下に送り込み、1階床の各所に設けたスリットから暖気を吹き出させるわけです。設備費用を最小限にするための工夫だそう。
「これでいけるだろうと考えて、まずはモデルハウスで実験するために作った」とのこと。「このモデルハウスは完成したばかりなので、今後夏と冬を越さないと結果は分からない。お客様の家でやる前に、大丈夫かどうか確かめてからでないといけませんので」とのお話で、考え方も非常にしっかりしていると感じました。
 
全体的に非常に印象が良かったのですが、肝心の「施工のみの受注」をするかと尋ねたところ、「基本的にはやっていない」とのこと。「きちんとしたモノを確実に作るため、自社としての標準(材料も工法も)を決めています。設計もそれに沿って行うので、持ち込みの図面ではどうしてもやりにくい」そうです。まあ、確かにそうなるでしょうね。

なかなかお目にかかったことのない、考え方のしっかりしたメーカでしたのでこの返答は残念でしたが、致し方ありません。しかし高断熱高気密を手がけていて、かつ施工のみでも請け負う業者に心当たりがあるので紹介するとの申し出を頂き、お願いすることにしました。
さて、どうなりますか。