自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

家による光熱費の違い(第二弾)-中編-

-前編から続く-

 

5.総使用エネルギー量

ガス使用量の集計では体積[m3]ではなくエネルギー[MJ]に換算して比較しました。

同様に、電気や灯油を含めて、全てをエネルギー量に換算したらどんな感じになるかを調べてみました。

電気は、1[kWh]=3.6[MJ]の換算式で単純計算できます。

灯油は燃焼熱量のデータがいくつか見つかりましたが、低位発熱量として34.0[MJ/L]の数値を採用します。ちなみに高位発熱量だと36.5[MJ/L]でしたが、ファンヒーターで使っているので低位発熱量を使うのが妥当でしょう(燃焼に伴う水蒸気も加湿として空調の一部と考えるなら高位発熱量を使うべきかも知れませんが)。

集計結果が下記です。

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飛び抜けたガスの使用量だったB市の家は、総使用エネルギーでもダントツにエネルギー食いの家だったことが分かります。建物の断熱性は(住んだ実感では)一番高かったにもかかわらず、です。ガスヒートポンプエアコンなんて使うもんじゃないってことなのでしょうね。年間の消費エネルギーは74.5[GJ](2年間の平均値)です。

意外にエネルギーを使っていたのがA市の家。これは灯油の消費量が多かったことに依ります。実はこの家はエアコンがリビングにしか無く、しかもLDKの広さに対して明らかに能力が足りないエアコンだったので、灯油ファンヒーターをバンバン使って補っていました。年間の消費エネルギーは46.6[GJ](2年間の平均値)と、B市の家よりぐっと少ないです。

ところで資源エネルギー庁のウェブ・サイトにこんなデータがありまして、

これによると我が家と同じ3人世帯(戸建て)の場合の平均的な年間消費エネルギーは48.4[GJ]とのことで、A市の家はこれに近いと言えます。

C市(1)の家は今回の中で最低のエネルギー消費に収まっています。オール電化の威力でしょう。年間の消費エネルギーは22.7[GJ](2年間の平均値)でA市の家の半分以下、B市の家に比べると1/3にもなりません。灯油の使用量が集計から少し漏れている気がしなくもないですが、多少上乗せされたとしてもその優位は変わらないでしょう。

C市(2)の家はそれよりはエネルギーを使っていて、年間の消費エネルギーは35.1[GJ](4年間の平均値)です。C市(1)よりエネルギーを喰っている理由の1つはオール電化ではないことでしょうが、それだけでなく、前回書いたエアコンの使用頻度増大も一因でしょう。

 

今再度の中断を余儀なくされていますが、家を建てるときは、C市(1)くらいの消費エネルギーで今より遙かに快適、というあたりを実現したいものです。

 

6.1次エネルギー換算での総使用エネルギー

消費エネルギーには、1次エネルギー換算という考え方があります。これは特に電気を意識した概念で、発電・送電時にロスしているエネルギーも含めて消費エネルギーと考えたらどうなるか、というものです。細かく言うと、灯油などでも「輸送過程で気化して失われる分がある」という話があり、その分のロスを加味することで1次エネルギー換算します。とは言え、電気の発電ロスに比べると微々たるものですし、そもそもどの程度なのかを知らないので、ここでは電気だけを換算して(ガスと灯油は元の値のまま)集計し直してみます。尚、発送電効率は日本の発電所の平均値と言われている40%を使いました。

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さすがにかなり様相が変わってきました。が、それでもB市の家が一番エネルギー喰いだという順位は変わりません。年間の消費エネルギーは下記。

A市  74.7[GJ]

B市  96.6[GJ]

C市(1) 56.2[GJ]

C市(2) 69.8[GJ]

A市とC市(2)の差がぐっと詰まってほぼ同レベルになりました。一方、C市(1)のオール電化は依然として1馬身の差を付けてリードという感じ。オール電化の盤石ぶりが目立つ結果になりました。

 

-後編に続く-