自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

家による光熱費の違い(第二弾)-後編-

-中編から続く-

 

7.エネルギー源毎の使用比率

前回は総使用エネルギー使用量を算出してみましたが、もう少し細かく、エネルギー源別の集計をしてみました。電気、ガス、灯油の比率を見てみようというわけです。

ただ、B市の家はガス比重が高すぎて一般的ではありませんし、オール電化のC市(1)の家は電気だけのグラフになるので(灯油も少しありますが)分析の意味がありません。

と言うわけで、最近の生活パターンを反映しているC市(2)の家でのデータを使います。夏も冬も24時間空調をかけていますから、新しく家を建てた場合(いつになるか分かりませんが)の生活パターンに類似しており、後から振り返って比較する際の適切な比較対象でしょう。

4年分の平均値を使って、直接の消費エネルギーの比率と、電気を1次エネルギーに換算した2パターンをグラフ化しました。

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資源の消費量という観点では下段の1次換算のグラフになるのですが、こうしてみると改めて電気の重要性が分かりますね。何しろ8割強が電気ですから。

 

8.光熱費総額

で、肝心の光熱費の総額です。

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年間の光熱費総額は下記です。それぞれ複数年度の平均値です。

A市  209,042円

B市  243,408円

C市(1)   150,972円

C市(2)   265,484円

 

前章までは「B市の家はガス食い過ぎ、エネルギー効率悪い」ばかりでしたが、金額換算するとC市(2)が最も光熱費がかかっていることが分かりました。順位が逆転したのは、電気がそれだけ単価の高いエネルギーだと言うことです。

まあ、当たり前ですよね。ガスは仕入れた材料をそのまま客に渡しているだけ(と言うと語弊がありますが)ですが、電気は仕入れた材料を燃やして発電する手間がかかっているのですから。それだけ贅沢なエネルギーだと言うことです。

 

9.まとめ

まとめと言うほどでもありませんが、今回分かったことがいくつかあります。

  1. 空調はエアコンが最も高効率(寒冷地だと分かりませんが)。エアコンの能力不足を灯油ファンヒーターで補う使い方をすると、エネルギー消費量の観点でも光熱費の観点でも不利になる(A市の家の冬の実績より)。
  2. 高効率なエアコンと言えども、夏期に再熱除湿で24時間運転しているとさすがに電気代がかさむ(ただし大変快適ではある)。
  3. 一般家庭のエネルギー消費量を環境負荷という観点で見ると、電気が支配要因。特に、夏期と冬季に24時間空調をかける使い方だと、通年で8割以上が電気になる(1次エネルギー換算で)こともある。

特に2.は家を建てたらどうなるか、非常に興味深いです。再熱除湿で24時間運転は費用がかさむと書いたものの、これは今の借家での話です。気密性の高い家なら湿気が入ってくる量は最小限でしょうから、そんなに電気を食わずに快適な湿度を保てるのではと期待されます。また、デシカで除湿するならエアコンの再熱除湿よりも低消費電力で除湿できるのではと思われます。

両方の効果で、「この程度の電力・電気代でこんな快適に出来るの?!」と驚く様な結果になってくれないかなぁと、期待は膨らみます。

 

ま、いつ建てられるのか、さっぱり分からないわけですが。