自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

蓄電池の導入を考えてみる-後編-

-中編から続く-

 

6.候補になる機種はどれか

ここまでの考察をまとめると、

  • 10kWh程度又はそれ以上の容量
  • 5kW以上の出力
  • ハイブリッド型又は停電時に太陽光発電の能力を使い切れるタイプの単機能型
  • ハイブリッド型の場合、太陽光発電のパワコンとしての能力は6~8kW程度

というあたりのものが候補になります。条件を満たす物を探してみました。

 

ESS-H2L1(ニチコン)

ニチコンは家庭用蓄電池の大手メーカで、ラインナップも豊富ですが、ハイブリッド型はこの機種だけです(正確にはこのモデルの1つ前モデルであるESS-H1L1/L2がまだ販売されていますが)。勿論、全負荷型です。

容量は12kWhと十分、蓄電池の出力も5.9kWとなかなかのもの。また太陽光発電のパワコンとしての能力は5.9kWで、ちょっと足りないかなどうかな、くらいです。

保証が15年と長いのも特長です。

価格は、1つ古い型番であるESS-H1L1のものになりますが、業者紹介サイトであるソーラーパートナーズによると、実勢価格は250万円程度とのこと。ハイブリッド型なので太陽光発電のパワコンは不要です。それを加味すると後で出てくる単機能型と比較する際は20~30万円差し引いた220~230万円くらいとみておくのが妥当でしょう。

 

EIBS7(田淵電機)

この機種も全負荷型のハイブリッド型ですが、特徴はパワコン部が蓄電池本体とは別筐体になっていること。パワコン部と蓄電池部の組み合わせで性能にバリエーションを持たせられます。

蓄電池の容量は7.04kWhで、今回見つけた他のモデルに比べるとやや小さめ。但し蓄電池は2台まで接続できる仕様になっていて、2台なら14.1kWhとかなりの大容量になります(価格が凄いことになりそうですが)。

パワコン部は太陽光発電のパワコンとしての能力の違いで3機種がラインナップ。5.5kW品、8kW品、9.9kW品の3種類から選べます。それ以外の仕様は3機種とも同じ。蓄電池の出力は5.5kWで、これもまずまずです。

ソーラーパートナーズによると、5.5kW/7.04kWhの組み合わせの場合で実勢価格は237万円程度とのこと。これも単機能型と比較するなら207~217万円くらいとみるべきでしょう。蓄電池の容量の差からすると、ニチコンの方がややお買い得な気もしますが、パワコンの能力を大きくしたい場合はニチコンではダメなのでEIBS7が魅力的になります。

これも保証は15年と長期です。

 

iedenchi-Hybrid(ネクストエナジー)

これも全負荷型のハイブリッド型です。蓄電池本体とパワコンが別筐体になっている点は田淵電機のEIBS7と同じですが、こちらは仕様のバリエーションは無く、蓄電池は1台のみ、パワコンも1種類のみです。

蓄電池の容量は10.24kWhと十分ですが、蓄電池出力は3kWとやや小さく、実はこの点で条件を満たしていません。

保証は10年と標準的。

価格情報は見つけられませんでしたが、同じネクスエナジーiedenchi-NXは実勢価格187万円程度のようです。但しiedenchi-NXは単機能型なので、ハイブリッド型であるiedenchi-Hybridはそれより20~30万円程度高いと考えるのが妥当でしょう。

 

スマートスターL(伊藤忠商事)

これは全負荷型の単機能型ですが、停電時にも太陽光発電の能力を目一杯使える特殊仕様のもの。知名度はナンバーワンだとか何とか。

蓄電池の容量は9.8kWhと十分ですが、蓄電池出力は3kWとこれもやや小さめ。この機種も厳密には条件を満たしていません。

保証は10年で標準的です。

実勢価格は193万円程度の模様

上で出てきたネクスエナジーのiedenchi-NXや、DMMの蓄電池と同じものだそうです。サービスなど細かい点で違いはあるようですが、基本性能は同じ。

 

7.今選ぶならESS-H2L1(ニチコン

今回は4機種をノミネートしました。世の中にある機種を全て調査できたわけではないので、もしかしたら調査から漏れた物の中に良いものがあるかも知れませんが、それはここでは無視しましょう。きりが無いので。

その上で、どれかを選ぶとなると、ESS-H2L1(ニチコン)かEIBS7(田淵電機)が有力ですね。iedenchi-HybridとスマートスターLは蓄電池出力が3kWと低いので、太陽光発電が動いていない夜間は、電力会社から電力を買うことがどうしても多くなってしまいます。また、停電時には3kWを超えない様におっかなびっくり生活せねばなりません。勿論、欲を言えばきりが無いので妥協も必要ですが、性能で妥協しないといけない割に、価格はニチコンやEIBS7と比べてびっくりするほど安いわけでもありません(20~30万円程度の価格差をどう解釈するかは色々あるでしょうが、私はそう大きな差では無いと感じました)。なのでiedenchi-HybridとスマートスターLは落選。

 

ニチコンとEIBS7のどちらが良いかは難しいところ。パワコンの能力を選びたければEIBS7しかありませんが、我が家の屋根にはベストケースでも8.55kWしか載りません。「何が何でもEIBS7」という必要性は低そうです。

そう考えると、蓄電池の容量の差(12kWhと7.04kWh)と価格の差でニチコンが断然魅力的になります。

と言うわけで、我が家の蓄電池はESS-H2L1(ニチコン)で決まりです。もっとも、今選ぶなら、であって、来年になるとまた各社から新しいモデルが出ているかも知れません。そうあって欲しいものです。