自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

ワールドハウスのモデルハウス見学

ハウスメーカの絞り込みもかなり進んでいるので、これ以上新しいメーカを開拓する気はほとんど無いのですが、また行きがかり上新しいモデルハウスを見学しました。
ワールドハウスというメーカです。(正確には郡建設株式会社。ワールドハウスはブランド名。) 但し、時間がなかったのでさらっと見ただけ。あとはカタログからの情報です。

ここはいわゆる地元工務店が頑張って少し手広く商売するようになった状態のメーカのようです。カタログによると、現在までの「累積」建設棟数が約4,000棟。
その経緯もあり、工法は木造軸組で素材は檜の無垢、4寸材と3.5寸材を場所によって使い分ける方法です。柱は無背割れ材だそうで、ここまでは桧家住宅とキャラがかぶっています。ここは土台にも檜を使うそうで、やや珍しい印象。
なお、含水率18%以下まで乾燥させたものを使うそうで、それは結構なことですが、その程度ではカタログに謳っている「超乾燥材」と言うほどではないように思われます。まあ、細かい突っ込みですが。

ちなみに、以前三井ホームのイベントで見たのですが、木材は含水率がおよそ18%以下になるまで乾燥させると内部構造に変化が生じて、ある程度以上は吸湿しなくなるという性質があるそうです。なので、一旦十分に乾燥させた木材なら、たとえプールに数日間水没させてもあまり含水率が上がらず、水から上げれば1~2日で元の含水率に戻るのだとか。であれば、建築中の家が少々雨に濡れても、慌てふためくことはありませんね。合板の場合は事情が異なるかも知れませんが。
ともかく、含水率18%以下まで乾燥させるのは、その意味でも重要になります。ワールドハウスは「超乾燥」と言えるかはともかく、このレベルには達してい ます。

構造面のもう一つの特長は木造軸組+壁パネル工法であること。一条工務店や桧家住宅など、準大手の在来工法ではあたりまえになりつつある工法ですが、いわゆる地元工務店に近い業態のメーカでも使うようになってるんですね。
この壁パネルが非常に面白いというか、へんてこりんと言うか、木造軸組の柱に構造用合板を打ち付けているのかと思いきや、2×4の様なパネル(合板+枠材の組み合わせ部品)が予め作ってあって、それを柱と柱の間の空間にはめ込んでいくのです。こんなのは他では見たことがありません。(後で気づきましたが、FPの家が確かこんな感じだったような気がします。)
しかもこの壁パネルには断熱材が貼ってあり、断熱材が外側になるようにはめ込んでいくのです。この「断熱材が外側にあること」を根拠に「外断熱」工法を謳っています。

このあたりで、断熱性に関してはあまり期待できないメーカだと言うことが覗えます。
そもそも、「外断熱」というのは鉄筋コンクリート造など熱容量の非常に大きい建物に対してしか用いられません。木造に外断熱はあり得ないのです。木造の似たような構造のものは「外貼り断熱」と呼びます(詳しくは日本外断熱総合研究所のウェブ・サイト(2020/04/19注:サイト主が転職したのか、ウェブサイトが全く別の個人ブログの様な内容に変わっています)を参照)。カタログには外断熱と外貼り断熱の用語が、特に区別されずにごちゃ混ぜに登場します。
まあ、専門用語の使い分けが正しくないのは目をつぶるとしても、決定的なのは、彼らの工法は外断熱でないのは勿論のこと、「外貼り断熱ですらない」ことです。既に書いたように、断熱材が貼られた壁パネルを柱と柱の間の空間にはめ込んでいきますので、断熱材は柱と柱の間にしか入りません。柱の外側に断熱材は無いのです。これじゃ単なる充填断熱だろーが!

使っている断熱材はネオマフォーム(@旭化成)です。厚さは明記されていませんが、見たところ25mm程のもの。一条工務店のEPS特号や桧家住宅のアクアフォームに換算すると43mm程に相当するので、大したことはありません。
ネオマフォームは非常に高性能な断熱材ですが、薄~く使われているのしか見たことがありません(高価だから?)。ヘーベルハウスもそうでしたね。いくら高性能とは言っても、それは「同じ厚さで比較すれば」の話。薄くてはとても高性能とは言えなくなります。
とは言え、ワールドハウスとしては断熱性にこだわりがあるらしく、オプションで基礎断熱(基礎の外側で断熱する)もやっています(防蟻断熱材を使用)。

断熱性に関しては結構突っ込み所のあるメーカですが、それ以外については全般的には考え方のしっかりしているメーカと見受けました。それはカタログの以下のような文言から覗えます。

  • 定期的に社内研修も実施している腕の確かな専属職人による直接工事が信条です。なので、専属職人が毎朝現地に通えない遠方工事はお断りしています。
  • 保証、修理は電話一本での即日対応が原則です。この意味でも、迅速対応が可能なエリアに施工を限定しています。
  • 「寒い冬に輸入サッシが1ヶ月も届かない」、「お風呂に入れない」、こういったトラブルを避けるため、住宅設備は365日24時間の対応が可能な国内の一流メーカ品に限定しています。当社自身では住宅設備の修理ができないからこそのこだわりです。
  • ワールドハウスは値引きしません! 全てのお客様に「適正価格を現出した駆け引きのない見積もり」をお約束します。
  • 「住みだし価格」をお約束します。自動車が車両本体価格では買えず、「乗り出し価格」が重要になりますが、住宅も同じです。
  • お支払いは、契約時に1%、屋根工事完了時に39%、外部工事完成時に30%、建物完成時に30%です。この方法だと、建築のどの時点においても入金額が工事の出来高を超えることがありません

価格に関する後半の項目は、全てのハウスメーカに真似してもらいたいポイントですね。
こういうメーカには頑張ってもらいたいものです。

ただ、私が重視している断熱性に難があるのと、何よりも私の居住地がワールドハウスの施工エリア外のため、私のメーカ選定では対象外になります。