自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

家を継ぐと言うこと

今日は結論の無い、とりとめのない話。

私は大学まで実家で暮らしていましたが、就職時に郷里を遠く離れた土地に移り住みました。相方も同様の状況ですので、今は夫婦どちらの地元でもない場所に(仕事の関係で)暮らしているわけです。
以前から漠然と、「定年を迎えたら郷里に戻って暮らすのかなぁ」と思っていました。それが必然、とまでは思いませんが、そちらに土地も家もあるし、先祖の墓もあります。一応、跡取り息子の立場なので、放っておくわけにはいきませんし。

でも最近思い始めました。自分の子供はどうすればいいんだろう? と。

私自身は、大学まで暮らした郷里にはそれなりに愛着があります。定年後に住み続ける土地の候補に挙がってくることは不自然ではありません。相方の郷里も同じ意味において候補たり得るでしょう。その2つの候補に、「縁あって定年まで住んでいた土地」を加えた3つの中から、老後を過ごす土地を選ぶのが自然な成り行きというものでしょう。特別に、「あの街に住みたい」みたいな思いがあれば別ですが、私も相方もそう言うのはないので。

そこまではいいです。問題は私の子供です。

当たり前ですが、彼らの郷里は私が今住んでいる(あるいは今後引っ越すなら引っ越した先の)土地です。そこに、「生まれ育った土地」としての愛着を感じることはあっても、私の郷里、つまり彼らにとって「おじいちゃんとおばあちゃんが住んでいる(に過ぎない)土地」に愛着を持つことは先ず考えられません。単に「旅行で訪れたことがある土地」以上のものではないでしょう。
更に言えば、彼らが私と似たような人生を選ぶなら、就職と共にどこか別の土地に旅立っていく可能性も高いわけです。
彼らが私の郷里に住む可能性は万に一つくらいしかありません。勿論、彼らが定年後に住む「終の棲家」の候補としても。

となると私の子供は、一度も住んだことがない場所に、単に「そこに土地と家と先祖の墓がある」というだけの理由で定期的にやってこねばならないことになります。(土地も家も墓も、それなりにメンテナンスが必要なので。)
これではどう考えても、子供の足を引っ張っているとしか思えません。

家も土地も処分して、墓を現住所の近くに移しましょうか? 今はいいけど、私の孫の代には同じ問題が再燃して、代替わりする度にお墓を移設することになりますな。こりゃ大変。
そもそも、子供が「海外に住みたい」などと言い出したらどうしましょう? 本人が殊更に希望しなくても、仕事の都合で結果的にそうなる可能性だってあります。と言って、墓まで持って行くわけにはいきません。

うーん、なかなかすっきりした解決法がありません。
子供が、「とっくの昔に死んだ人間の骨が納められただけの御影石に何の意味がある?」という考えに育てば、結果的にすっぱりと鎖が断ち切られて、悩む必要もないのかも知れませんけどね。