自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

換気によるQ値の悪化-一条工務店のデータを使って検算-

換気によるQ値の悪化を、顕熱分で0.43、潜熱分で4.0、と計算しましたが、これが正しいかどうか、余所様のデータを使って検算してみましょう。なにぶん、今回はちょっと自信が薄いので。

こちら(2020/04/27注:リンク切れ)にある一条工務店のデータで、Q値と年間暖房費の関係が書かれている表があります。これをExcelでグラフにしてみると下記のようになります。横軸がQ値、縦軸が年間暖房費です。

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表示させた近似直線から、Q値が1.0違うと年間暖房費が5.18万円違うという関係になっています。
一方、同じページのロスガード90(全熱交換型換気システム)の説明では、「熱交換をしない換気の場合、年間暖房費が4.1万円から6万円に増える」と書かれています。上記グラフの近似式から逆算すると、一条工務店では両者のQ値の差は0.37と見ているようです。

問題は、「この計算をするに当たり、一条工務店は顕熱と潜熱の両方を計算に含めたのか、それとも顕熱だけか」ということです。

仮に顕熱だけを考慮して計算しているのだとすると、以下の考えが成り立ちます。

  • 熱交換をしない換気と、ロスガード90による換気でのQ値の差は0.37。
  • ロスガード90の温度交換効率は90%なので、そもそも換気によるQ値の悪化は0.41だと考えているはず。(その90%である0.37が、ロスガードによるQ値の回復量という解釈。)

一条工務店が換気(熱交換無し)によるQ値の悪化を0.41だと考えているのであれば、これは前回の私の計算値(0.43の悪化)と概ね等しいですから、私の計算もまんざらではなさそうです。(2人揃って間違えていると言うことは、多分無いでしょう。)

一方、もしも潜熱も含めて計算した結果が上記なのだとすると、前回の私の計算(両方で4.43の差)は大間違いということになります(同時に一条工務店も大間違い?)。特に潜熱の計算はどこかで10倍以上間違っていることになります。
潜熱の計算をする場合、室内の湿度を何度に保つかでかなりの差が出てきます。40%に保ちたい場合、50%に保ちたい場合、etc.。計算はかなり面倒かつ、仮定だらけになります(前回の私のように)。そう考えると、潜熱は無視して顕熱の影響だけを計算したのではないかという気がします(確証はありませんが)。

と言うわけで、ご都合主義に解釈するなら、一条工務店の試算は顕熱のみを考慮しているハズで、その計算結果は私の試算とほぼ同じですから、前回の顕熱に関する計算結果は概ね正しいだろうと言えます。このとき、潜熱の計算についてはデータ不足で正しいかどうかを判断できません。
一方、可能性の話をするなら、一条工務店の試算は潜熱も考慮したものであって、顕熱+潜熱の影響を両方足して0.37しか影響が出ないと判断していることになります。この場合、私の計算は問答無用で間違っていることになります。特に潜熱の影響は10倍以上の間違いです。私の計算は全くアテになりません。

さて、事実はどちらでしょうかね?
私ですか? そりゃ当然、一条工務店は顕熱の影響だけを計算したに違いない、と思っていますよ。根拠はありませんけど。