自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

家庭用蓄電池に黒船現る-後編-

-前編から続く-

 

REPOストレージのシステムに付いている重要な制約とは何か?

それは系統連携できないということです。つまりオフグリッドシステムです。(後述の通り、売電はできないものの買電は出来るので、厳密なオフグリッドではありません。)

ニチコンのウェブ・サイトを見ると分かり易いですが、太陽光発電パネルを装備した住宅では、

  • 太陽光発電(発電したりしなかったり)
  • 蓄電池(電力を貯めたり取り出したり)
  • 家庭内の電気機器(電力の消費)
  • EV(基本的には充電、緊急時には電力を取り出す)
  • 系統電力(足りないときに買電、余ったときは売電)

という感じで、様々なものを「いい感じに」連係動作させるのが普通です。(蓄電池やEVは無い場合もありますが。)

しかし系統連携できないとなると、大容量の蓄電池を備え、発電した電気を全て溜めて自家消費するしか無いことになります。だからREPOストレージのシステムでは大量の蓄電池を装備するのが前提になっているわけですね。

以前、セキスイハイムスマートパワーステーション100%エディションについて考察したときに、蓄電池だけで過ごそうとすると、40kWhくらい必要という試算結果でした。家庭用蓄電池として市販されているものは、大きいものでも10~12kWh程度ですから、とてつもない容量です。

対して、REPOストレージのシステムは基本が30kWh。これも一般的とは言い難い大容量ではありますが、それでもちょっと足りない気もします。系統連携できないこのシステムで雨天が続いたりしたら停電するしかないのかというと、そうはなりません。と言うのも、このシステム、バッテリーの残量が無くなったら系統から買電する様になっているからです。

系統連携していない(できない)のに買電できるのはちょっと良く分かりませんが、恐らく同時には使用できず(連携していないので)、どちらか一方のみを使う仕様なのでしょう。バッテリーから放電しているときは系統から買電できず、逆に系統から買電しているときはバッテリーを家庭内の電気系統から切り離すと。これなら連携せずに『足りないときだけ買電」が実現出来ます。

とは言え、切り替え時に瞬間的に停電しないのか? など、ちょっと良く分からないところはあります。瞬時停電するのだとするとちょっと不便ですからね。

この方式だと、売電はできません。売電は「切り替え」では実現出来ず、原理的に系統連携が不可欠ですので。

 

と言うわけで、REPOストレージのシステムは非常識なほどの大容量蓄電池を装備することで、基本的には完全自家消費を目指しつつ、どうしても不足するときだけ系統から電力を購入するというシステムになっているわけです。完全自給自足方式の弱点を補う、上手い方法だと思います。

 

で、ここからが本題。

  • REPOストレージのシステムは何故系統連携していないのか?
  • REPOストレージのシステムは何故それほど安価なのか(他の半額近い)?

この2つの疑問への答が、「国内仕様であるJIS規格には準拠せず、国際規格であるIECに準拠したシステムを使用しているから」なのです。簡単に言うと、国内専用のガラパゴス規格に準拠させると高くなるから、国際標準の安いシステムにしました、と言うことです。

日本の国内規格に準拠していないなんて安全性は大丈夫なのか? と心配になりますが、実はそこは問題にはなりません。IEC規格だってちゃんとした規格ですので。(勿論、規格がどうこうとは別に、そのシステムを作ったメーカーの技術力が低いから安全ではない、ということは有り得るでしょうけど。)

では、JIS規格じゃないと何が困るのかというと、補助金が出ないのです。これも聞けばちょっと妙な話で、日本でもメガソーラーなどの産業用のシステムではIEC規格品でも補助金の対象になるのだそう。JIS規格品でないと補助金が出ないのは家庭用蓄電池だけなのだそうです。変なの。

REPOストレージは、「だったら補助金無しでも元が取れるくらい安くすればいいんだろ」とばかりに、

  • 外市場の低コスト競争で鍛えられたIEC規格品を使う。
  • 系統連携しないことで、システムから系統連携用の機能を削除してコストダウン。

という工夫をすることで、既存品の半額近い低価格を実現したとのことです。確かに、補助金もらうより実質は安いのでは?

 

ただ、以前も書きましたが、オフグリッドを基本にしたシステムの場合、太陽光発電パネルと蓄電池の容量は、電気使用量が多く発電量の少ない冬を基準に決めることになります。夏は電気使用量も多いのでそこそこ使い切れるでしょうが、春秋は電気がかなり余ります。普通は、それを捨てるのは勿体ないと考え、折角発電した電力を売電して有効活用します。だから系統連携するのです。

 

しかし、REPOストレージは自給自足でも元が取れる蓄電システムを実現してしまいました。しかも補助金無しで。記事で挙げられているご家庭では7年程度で元が取れる見込みだそうです。

素晴らしいとしか言いようがないのですが、となると、今後は「系統連携なんかしなくてもいいじゃん。むしろその方がいいじゃん」ということになりかねません。

 

電気は大量・長期に貯めるのが難しいので、春夏に電気が余っても、蓄電して夏冬まで持ち越すことは非現実的です。だからこそ、余った電気で水素を作ったりして、電気とは違う形のエネルギーに変換して季節を越そうという取り組みが研究されています。(まだまだコスト的に現実的でなく、もっと技術開発が必要ですが。)

しかしそういった取り組みも、個々の家庭などで発電した電力を、系統連携を通じて集めることが出来ればこそ可能な話です。REPOストレージの様な系統連携を諦めたシステムが多く普及してしまうと、春秋の余剰電力は捨てるしかなくなります。そして、そういう残念な状況の原因になっている(なりかねない)のが、現在の補助金制度だというわけです。何という矛盾。

 

これこそが、私がREPOストレージのシステムを黒船だと感じた理由です。

 

補助金無しで元が取れるという素晴らしいシステムなので普及して欲しいですが、これが普及すればするほど国全体の電力システムは逆に脆弱になってしまう可能性があります。(必ずそうなるとは言えませんが。)

個人の損得と、国全体の利害が対立する構図です。困りましたね。

 

私個人はと言うと、大いに興味をそそられました。何しろ、太陽光発電パネル7kWと蓄電池20kWhで200万円ちょっとですから。

一方で、系統連携しておくべきだよなという気持ちも持っています。

家を建てる話もそろそろ本格始動させられそうなので、じっくり考えたいと思います。

家庭用蓄電池に黒船現る-前編-

家庭用蓄電池に「黒船来襲」と言っても良い大きな変化が始まったようです。

そんなサービスを始めたのは、REPOストレージという企業。

「月の電気代1000円以下も」と刺激的なタイトルですが、これは使う電力のほとんどを自家発電で賄うことを指しています。

最近ではZEHなど、使うのと同じかそれ以上の電気を発電すること自体は珍しくありません。しかしそれは、発電しすぎた電気を電力会社に買い取ってもらったり、逆に不足時は電力を買うことで成り立っています。電力会社を蓄電池代わりにすることで成り立っているのがZEHと言えます。

昨今では、蓄電池を備えることで本当の電力の自給自足を目指すのが世の流れで、記事のシステムもこの方向です。コストを別にすれば、技術的には難しくありません。

では何が「黒船来襲」なのかというと、これ、補助金に頼らずに「元が取れる創蓄電システム」を実現しているのです。つまり、技術的には可能でもコスト的には困難だったハズの方法を、コスト的に成り立たせているのです。

 

以前書いたセキスイハイムの電力自給自足の家では、13.37kWの大容量の太陽光発電パネルと、12kWhの大容量蓄電池、更にV2Hで日産リーフの30kWhの蓄電池までアテにするシステムでした。これ程の大容量電池を前提にしなければ、本当の自給自足には届かないのです。

ではREPOストレージのシステムではどうかというと、少ないケースで16kWh、多いケースでは30kWhもの蓄電池を導入するそうです。同社のInstagramにはいくつか導入事例が掲載されており、

名古屋市の集合住宅(4戸):パネル20kW、蓄電池64kWh(1戸あたり5kW+16kWh)

千葉県富里市の戸建て1  :パネル9kW、蓄電池30kW

千葉県富里市の戸建て2  :パネル12kW、蓄電池30kW

千葉県佐倉市の戸建て :パネル12kW、蓄電池30kW

三重県多気郡の寺院  :パネル24kW、蓄電池30kW

という感じで、そのほとんどで30kWhもの蓄電池を導入しています。

いえ、完全に自給自足に近づけようとするとそれくらい必要なのは理解できます。やはり課題はその費用です。今の家庭用蓄電池の価格は、(ネット情報レベルですが)30kWhなら500万円というところではないでしょうか(15kWh×2個)。太陽光の価格も含めると700万円を超えてくるのではないでしょうか。

 

冒頭の記事で紹介されている事例は少し小規模ですが、それでもパネル7kWと蓄電池20kWhです。相場的には450万円と言うところでしょうか。しかし費用に関する取材記者とのやりとりは下記です。

「ここは東京都のような補助金も出ないですよね? これだけの太陽光パネルと蓄電池だと、少なくとも400万円以上はしたのでは?」

「うちは新築後しばらくしてから後付けしましたが、工事費も全て合わせてその半額ぐらいでした。初期費用が少ないので、7年前後で投資回収できる予定です」

つまり、200万円ちょっとくらいで設置できたとのこと。驚きの低価格です。

世間的には、「蓄電池は元を取るものではなく、災害時などの安心感を目的に導入するものである」というのが相場ですが、圧倒的な低価格で「元が取れる蓄電池」を実現しているのです。

 

ここまでの話だけなら「素晴らしい」で終わりなのですが、REPOストレージのシステムには1つだけ重要な制約が付いています。それこそが私が「これは黒船だ」と感じたポイントなのですが、長くなったので次回に。

 

-後編に続く-

 

地中熱エアコンってどうよ

地中熱エアコンなるものの開発記事を目にしました。

 

地中熱をヒートポンプで利用する方式については以前も書きましたが、エアコンを高効率にするための技術です。高効率に出来る要因は、大地という圧倒的に熱容量が大きく、かつ年間を通じて温度があまり変わらないのものを熱のダムとして利用することにあります。

その条件を満たすために地下100mもの深い穴掘りが必要で、その穴掘り費用が高すぎてとても元が取れないのが現状でした。(例外は北海道みたいな空調費用がめっちゃ高い地域くらい。)

 

一般的な地中熱エアコンの構成

なので、穴掘りコストをどうやって下げるかが課題なのですが、今回の記事の方式では僅か2mという浅い穴で済ませられるようです。ホンマかいな?

この技術の肝は、大地を熱のダムにするのではなく、地中に埋めた水のタンクを熱のダムにすることです。1m四方、深さ2mの穴を掘って水のタンクを埋め、そこを熱のダムにすると。

 

今回の記事の地中熱エアコン

真っ先に気になるのは、「タンクが熱のダムとしては小さすぎるのでは?」という点です。熱を捨て続けてタンクの水温が上がれば、エアコンの効率は下がり、地中熱方式の意味が無くなります。

この点に対してどうしているのか、記事では明確な説明はありませんが、そのヒントになる以下の記述がありました。

室外機に四方弁などを追加して冷媒の流路を切り替え、地中に設置した水入りタンク内の銅管に冷媒を通して室外機に戻す

 

どうやら、常に地中熱エアコンとして動作するのではなく、普通のエアコンモード(地中熱を使わない)と地中熱モードを切り替えられる様にしてあるようです。

普段は普通のエアコンとして動作し、エアコンの効率が落ちる夏の昼間の冷房や、冬の夜間の暖房でのみ地中熱モードを使うことで、熱のダムとのやりとりを減らし、小さな熱のダムでも足りる様にしたというのがこの方式の肝なのでしょう。

確かに、「夏の間中熱を捨て続ける」だと捨てる熱が多すぎてタンクの温度が上がりすぎてしまいそうですが、「地中熱モードを使うのは夏中ずっとではなくピーク期間のみで、しかもその昼間のみ」なら足りる様な気がします。

逆に言うと、北海道の冬期の暖房にはこの方式では性能が不足すると思われます。まあ、北海道なら従来方式で100mの穴を掘っても元が取れる可能性は高いので、この方式で対応できなくても構わないと割り切ったのかも知れません。

 

ZEH補助金の対象に出来れば施主の実質負担はゼロに出来る、とあるので、費用は90万円くらいなのでしょう。(SIIのZEH補助金の「地中熱利用」は90万円。)

補助金無しでも自立できる様になるかどうか(そこまでコスト低減が進むかどうか)、ちょっと楽しみな技術ですね。

パナソニックがフロントオープンタイプの食洗機を発売

エレクトロラックス(AEG)の日本撤退で、採用するつもりだった食洗機が買えなくなると嘆いていたのも束の間、パナソニックがフロントオープン型の食洗器を発売していたのに気づきました。それも、幅45cm型と同60cm型の両方を。

何だ、需要があるって分かってんじゃん。

 

1.フロントオープンタイプの食洗機とは

ビルトイン食洗機は、引き出し型と言われるタイプと、フロントオープン型と呼ばれるタイプの2種類に大別されます。

(1)引き出し型

引き出し型は下記の様なやつです。パナソニックは日本ではこのタイプの食洗機のリーディングカンパニーと言って良いでしょう。

まさに引き出しの中に汚れた食器を入れて洗う感じですね。日本で一般にビルトイン食洗機と言えばこのタイプでしょう。ただ、(私もあまり詳しくないですが)このタイプは日本でしか使われていない様に思います。

何故日本でこのタイプが一般的になったのかは知りませんが、想像するに、昔々に初めて開発するときに、後述のフロントオープンタイプだと水漏れが恐くて、それで引き出し型にして水漏れリスクを避けたのではないかと。

原理的に、下の方の出し入れの作業性に難があり、あまり深くは出来ません。つまり大容量に出来ません。最近は深型というのも出てきましたけれど。

 

(2)フロントオープン型

フロントオープン型は下記の様なやつです。このタイプなら日本ではMiele(ドイツ)が一番有名どころですが、あえて日本メーカのサイトにリンクしておきます。

食器を入れるカゴが上下2~3段に別れていて、下の方の食器が出し入れし難いというのが無いので、縦寸法を大きく撮ることが出来、大容量に出来ます。

日本企業でこのタイプのものを発売しているのは上記のリンナイしかなく、しかも幅45cmのものしか作っていないので、「鍋やボウルやまな板なんかも、ぜーんぶ入れたい」という大容量指向のユーザは、Mieleなどの海外メーカ製を選ばざるを得ないのが実状です。

我が家もそのタイプ。とにかく手洗いをしたくないので、大容量一択です。

 

2.パナソニックのフロントオープンタイプ

今回気づいたパナソニックのフロントオープンタイプは下記です。

上記は幅60cmですが、幅45cmも発売予定になっています。

上記のページを読むと分かりますが、これ、パナソニックシステムキッチン専用の部品として売られていて、この食洗機だけを買うことが出来ません。

ワイドコンロと同じ扱いですね。あれも良いなと思っているのですが、パナソニックのシステムキッチンと抱き合わせでないと売ってくれません。

 

2024/12/01追記

良く確認したところ、「システムキッチンセット販売専用商品」となっていて、パナソニック以外のシステムキッチンとの組み合わせも可能な様です。例えばクリナップのシステムキッチンでは組み合わせ出来ることが書かれています。

ただ、単体では売ってくれないのは確かです。

 

 

最大の特徴がこの、単体では売ってくれない、という点にあります。それ以外に言うべき事はない、と言うくらい。

 

3.買えないものは仕方がないが

と言うわけで、いいもの見つけた、と思ったのはぬか喜びで、買えません。

とは言え、フロントオープン型の大容量食洗機にニーズがあるとメーカが(少なくともパナソニックは)認識していることが分かったのが今回の収穫と言えるでしょう。

直ぐに、と言うわけにはいかないにしても、リンナイあたりが幅60cm版を出してくれないかなと微かな希望が膨らみます。ホントはAEGのコンフォートリフトが良かったんですが、撤退なのでこれは買えない。後は私の目には50歩100歩ですから、日本メーカのものなら使い勝手的にもメンテナンス的にも安心と言うくらいの差です。

まあ、あまり期待せず待つことにします。

AEGの代替品はどうするか、考えないといけませんね。

 

 

エレクトロラックスが日本撤退らしい(AEGも)

先日、エレクトロラックスが日本から撤退するとの報道がありました。

同社はスウェーデンの大手家電メーカーで、欧州では1、2を争う存在感です。日本でも数十年前昔から事業を展開していましたが、日本人が貧乏になって売れなくなったのかどうか、完全撤退するようです。

これが私の自宅新築にどう関係するかというと、以前食洗機の検討をしたときに我が家はAEGに決定という結論を出したわけですが、このAEGがエレクトロラックスの子会社なのです。AEGはドイツの企業ですが、何年か前にエレクトロラックスに買収されています。エレクトロラックスが日本撤退なので、子会社のAEGも日本撤退です(上記の記事にもその様に記載があります)。

 

と言うわけで、「食洗機はAEG」はご破算になってしまいました。気に入ってたのになぁ、コンフォートリフト。

まあ、本気になれば個人輸入などの方法も無いわけではないですが。(その方がずっと安いので、故障したら買い換える前提でもむしろトータルは安かったりしますが、なかなかねぇ。)

 

ソーラーフロンティアの太陽光発電パネル製造撤退に続き、家を建てるときに採用するつもりだったものがどんどん無くなっていきますなぁ。残念無念。

さっさと建てろということでもあるのですが、それはまあそれとして。

電気代の認可制と自由化

ロシアとウクライナの戦争をきっかけに、電気代が随分高くなってきました。

戦時下と思えばこの程度は大したことないのかな、と思わないでもないですし、報道で見聞きするヨーロッパ諸国での上がり方と比べたら、知れているのは確かです。とは言え、あっちが異常なだけで、日本の上がり方だってそこそこです。

特に我が家は夏季の間中エアコンを再熱除湿で運転させっぱなしにするので電気使用量が多く、元の金額が高いので上がり幅も大きいです。

それ自体は納得の上なのでいいのですが、それをきっかけに電気代について調べていて、電気料金の仕組みの中に今まで知らなかったルールがあることを知りました。

今回はそのお話。

 

電気料金は、多くの場合、

  1. 基本料金
  2. 従量料金
  3. その他

で構成されていて、「3.その他」の中に、燃料費調整単価と再エネ付加金が含まれています。今回気づいたのは燃料費調整単価に関してです。

 

燃料費調整単価とは、発電に使う燃料の購入価格の増減に応じて従量料金に上乗せされるものです。例えば、本来の従量料金が24[円/kWh]だったとして、その時の燃料代が基準単価よりも高ければ単価を+1円とか+2円して単価を調整します。逆に燃料を安く買えれば、燃料費調整単価はマイナスになり、従量料金は24[円/kWh]より安くなるわけです。どのくらい高く/安くするかは計算方法がきちんと決められています。

ちなみに燃料は、主には天然ガス火力発電に使う天然ガスです。

仕組みとしては、航空チケットの燃油サーチャージみたいなものですね。

 

で、昨今は天然ガスの国際取引価格が暴騰しているので、燃料費調整単価がかなり高くなっており、電気代も高くなっている、というのが大ざっぱな話。

今回新しく知ったのは、この先の更に細かい話です。

 

その昔、電気料金はインフラという性格から、全て認可制でした。これに対し、数年前に電力小売り自由化と称して、認可を経ず電力会社が自由に価格設定が出来るようになりました。企業間の競争により、価格低減が進むと期待されたから導入された制度です。

で、ここからが肝心なのですが、今、電気料金は認可制の料金プランと自由化プランが混在している状態になっているのです。私はてっきり、全ての電気料金が自由化されたのだとばかり思っていたのですが、違いました。

両者の料金プランには大きな違いが1つあります。それは、認可制の料金プランの場合、燃料費調整単価には上限があるという事です。どんなに燃料費が上がっても、小売価格に転嫁できる金額には上限が有り、それを超えて燃料費が上がった分は、全て電力会社が負担せねばならないことになっているのです。そして、まさに今、その状況が出現しています。

ニュースなどで、「電力料金が上限に達したので、各電力会社は上限の緩和を政府に要求している」などと報道されているのがこれです。燃料代が上がった分をもっと小売価格に反映できないと赤字が増えて堪らない、と言うわけです。但し、こういう状況になっているのは認可制の料金プランだけです。認可制の料金プランの場合、料金の変更には政府の認可が必要なので、勝手に変えることが出来ません。だから政府に頼み込んでいるわけです。

想像するに、料金プランを考えた当初はここまで極端に燃料代が上がることは考えていなかったのでしょう。だから「多少足が出るくらいなら、その分は電力会社で負担しなさい。消費者にあまり重い負担をさせるわけには行かない」とか何とか考えて、燃料費調整単価に上限を設けたのだと思います。で、今の極端な天然ガスの値上がりで、電力会社が「いくら何でももう無理」となっているのです。

 

では自由化プランの場合はどうなのかというと、自由化プランの名の通り、単価は電力会社の裁量で決められます。燃料費調整単価には上限がありません。

なので、今の天然ガスの高騰で電気代が上がっていると言っても、契約プランが認可制の料金プランか、それとも自由化プランかで、上がり幅はかなり違います。

例えば我が家の場合、2年くらい前に自由化プランに変更したのですが、燃料費調整単価は6.14[円/kWh]です。これに対し、認可制の料金プランの場合、2.24[円/kWh]です(これが上限価格)。その差、3.9[円/kWh]もあります。

夏にエアコンをフルに使って、500[kWh]使ったとするなら、認可制の料金プランの場合、電気代は(燃料代が標準だった数年前に比べて)1,120円アップですが、自由化プランの場合は3,070円アップにもなります。差額だけでも2,000円近いです。

 

と言う背景事情を知ったので、我が家では認可制の料金プランに戻すことにしました。認可制の料金プランは要するに自由化前から存在していた料金プランのことで、多くの電力会社では「従量電灯A」などの名称で提供されています。

実際に手続きを試みたところ、自由化プランに切り替えるのはwebで簡単にできるのに対し、認可制の料金プランに切り替えるのは電話で申し込む必要があるなど、ちょっとしたハードルが設けられていました。まあ、でも手続きできましたけどね。

 

これまで(2年ほどですが)自由化プランを使って安くなっていたので(月に1,000くらいですが)、ここで掌返して認可制の料金プランに戻すのはずるいかなと思わないでもないですが、決められたルール内なのでまあいいかなと。

それに、遠からず認可制の料金プランでも燃料費調整単価の上限が(政府の認可を得た上で)引き上げられて、料金の差は縮まることでしょう。

根本的に料金が下がるためには、原発の稼働が進むなどして天然ガスの購入量が下がるのを待つしか無さそうです。ロシアとウクライナの戦争の状況を見る限り、天然ガスの価格は当分下がりそうにありませんので。

いやはや、大変な時代になりました。

またかよ、白くまくん

リビングの白くまくんがまた不調になりました。

 

とある日曜日、リビングで過ごしていたら何だか暑くなってきました。我が家はこの時期はエアコンをドライで24時間運転させているので、いつでも快適、のハズなのですが。

もしやと思ってリビングを空調してくれている白くまくんの吹き出し口に手をかざしてみたところ、ぬるい風が出てきています。一応確認しましたが、フィルターのおそうじ機能が動作しているわけでもありません。

こりゃいかん、ということで、即刻修理を依頼しました。オンライン修理依頼の画面を開いて必要事項を入力し、依頼完了。

 

ところが、その後30分ほどしたら、また白くまくんから涼しい風が出てくるようになりました。直った? と思ったら、30分程するとまたぬるい風。何だか安定しません。

翌日には修理の日程調整の電話がかかってきました。調子が不安定なので、来てもらったときには問題なく動いている、と言う可能性もありますが、とにかく今回は見てもらうことにしました。

 

で、修理当日、サービスの方が来てくれました。

修理依頼の後、白くまくんは調子を取り戻し、風がぬるくなることはほぼ無くなっていました。調子が悪くなったときにどんな様子だったかは一通り伝えたものの、やはり「ちゃんと動いている分には原因は分からない」とのこと。残念。

しかし、話をしながら室外機を眺めていたときです。部屋が冷えてそれまで止まっていた室外機がまた動き始めたときに、その動作音を聞いたサービスの方が、「何か動き始めにカタカタッと変な音がしますね」と指摘しました。確かに音はしますが、それほど大きな音ではなく、また「正常な音」を知らない私は気になりませんでした。正常な音を知っているサービスの方にとっては、気になる音だったようです。

で、「モーター交換しときましょうか。これで直るか分からないですが」とのことで、部品を取り寄せることになりました。

 

更に数日後、サービスの方が再度来訪され、室外機を修理。モーターと仰っていましたが、コンプレッサー丸ごとの交換でした。当然、冷媒のガスを一旦全部抜いて、ガスの配管を切断して再度溶接するという大掛かりな作業となり、2時間近くかかりました。

修理後の室外機はぐっと静かになり、もしかしたらコンプレッサーが不調だったのかも、と思わせる仕上がりでした。

 

3年前の数度にわたる修理と合わせると、

  • 室外機のコンプレッサー
  • 同、制御基板
  • 同、四方弁とリレー
  • 室内機の水受け皿
  • 同、熱交換器

が交換されたことになります。エアコンとしての主要な部品のほとんどが交換されていて、未交換なのは室外機の熱交換器くらいしか残っていません。当分は大丈夫かな。

 

今回も修理費は無料でした。エディオンの長期保証、有り難い限りです(10万円以上のエアコンは10年保証)。