自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

エコキュートを選んでみる(2)

-(1)から続く-

 

パナソニック

パナソニックエコキュートは正攻法ではなくちょっとひねった感じです。何しろ、ウェブ・サイトを開いて最初に目に飛び込んでくるのは「スマホでおふろ」です。要するにスマホをリモコンにして出先からでもお湯はりなど出来ますよ、という事らしいのですが、エコキュートの宣伝で最初に訴求するのがそれですか、、、凄い違和感。

基本性能・機能をやり尽くしたからそういうところで差別化を図る、と言うなら分かるのですが、そもそも基本性能・機能でトップを独走しているわけではないんですよね。大丈夫かな?

先ずは年間給湯保温効率ですが、370L型で4.0、460L型で3.9です。この数字はJIS C 9220:2018でのもの。つまり残り湯熱回収機能(パナソニックではぬくもりチャージと呼びます)の効果込みです。私が知る限り、この機能はパナソニックが元祖。ただ、面白いことに、この機能がデビューした当初(数年前だったと思います)はこの機能を装備したパナソニックよりも機能が無い日立の方が年間給湯保温効率が良かったんですよね。熱回収機能があってもトータルで負けているとは、これまでは余程基本性能が低かったのか? 今年は2番手グループくらいの性能にはなっていますが。

給湯圧力は280kPaと十分。湯はり時間は標準で12分で、三菱の高速湯はり(11分)より僅かに遅いだけと優秀ですが、残念ながら高速湯はり機能はありません。配管洗浄などの清潔を保つための機能も無し。

その他、目立った特徴は無し。あえて言えばスマホ連携機能の1つで、天気予報と連動して自動的に湯沸かし量を加減したり、大雨警報などが出たらタンク一杯まで予め沸かす機能くらい。悪くないけど、もっと先にやることあるでしょ、と思わずには居られません。

全体的な印象としては、「これからの時代はスマホ連携だ」に捕らわれすぎて、肝心な部分が手薄になってしまっている、という感じです。あえて選ぶ魅力には乏しいです。

 

 日立

日立はある意味パナソニックよりも変化球かも知れません。と言うのも、ウェブ・サイトで先頭に出てきているのが「井戸水対応のナイアガラタフネス」なんですよね。井戸水対応を一押しとは、変化球どころかビーンボールかも知れません。

ただ、技術的にはこの井戸水対応は大変興味深いです。もともと日立のエコキュートには水道直圧式という方式が採用されていて、蛇口やシャワー(要するに浴槽への湯はり以外)への給湯はタンクを経由しないという水路になっていました。これに対しナイアガラタフネスでは浴槽への湯はりも含めた全ての給湯を水道直圧式にしたのです。

それでどうして井戸水対応になるのか?

そもそもエコキュートが基本的に井戸水に対応していないのは、井戸水の多くはミネラルが多すぎて、長年使っている内に配管にミネラルが析出して詰まってしまうからです。この現象は温度が高いお湯で起こりやすいらしく、なのでタンク周りの配管が詰まってしまうのです。

これに対し、ナイアガラタフネスではタンクに溜めた水は基本的にずっと同じものを使い続けます。ほぼ入れ替わりません。なのでたとえミネラルが多くても、配管が詰まるほど析出しないのです。

大変興味深いナイアガラタフネスではあるのですが、私は井戸水を使う予定はありませんし、何よりこの機種は年間給湯保温効率が3.4とちょっと見劣りします。

と言うわけで、日立に関しては一押し機種ではなく、通常タイプの中での最上位機種を比較対象にします。

こちらは年間給湯保温効率は370L型で3.9、460L型で3.8と、僅かに他社より劣ります。残り湯熱回収機能がなくてこの数字は立派ですが、折角なので熱回収機能を付けて欲しいところ。

清潔に保つための機能としては、配管に水を流して洗浄する機能あり。但しバブル水ではありません。その代わりと言っては何ですが、配管自体をステンレスにしており、汚れが付きにくいのだとか。

水道直圧式なので給湯圧力は規定がありません。家庭に来ている水道管の圧力がそのまま出ます。典型的には500kPaくらいらしいです。勿論地域で違いますが。

湯はり時間は標準で12分、高速湯はりで7.5分とかなり早い。これならほぼ「思い立ったときに直ぐ入浴」ができそうです。

ただ、数年くらい前にウェブ・サイトを見たときには、高速湯はり時には5分弱で湯はりが出来ると書いてあった様に記憶するのですが、、、気のせいかな?

数年前の印象では、年間給湯保温効率は業界最高だし、水道直圧式で水圧の心配も不要だから一押しだったのですが、ここ数年で他に追い抜かれてしまいました。とてつもなく速かったと記憶する湯はりも、気のせいだったのかどうか、他社よりちょっと速い程度ですし、今選ぶなら選択肢に残るか微妙ですね。

 

-(3)に続く-