自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

家の性能

「エコハウスのウソ2」を読んでみた

エコハウスのウソ2という書籍を読みました。今回はその感想文。 著者は前真之氏。東京大学の准教授で、日経ホームビルダー(休刊)などにも連載を持っていたこの業界では有名な方です。この本も日経ホームビルダーの連載記事を元に、記述を大幅に充実させたも…

エクセルシャノンの超高性能サッシSPG

エクセルシャノンが超高性能サッシを発表しました。シャノンウインドSPGです。 数年前にLIXILがレガリスという超高性能サッシを発売したことに触れましたが、それに匹敵します。カタログに書かれているUw値はレガリスが0.55[W/m2・K]なのに対し、シャノンウ…

家による光熱費の違い(第二弾)-後編-

-中編から続く- 7.エネルギー源毎の使用比率 前回は総使用エネルギー使用量を算出してみましたが、もう少し細かく、エネルギー源別の集計をしてみました。電気、ガス、灯油の比率を見てみようというわけです。 ただ、B市の家はガス比重が高すぎて一般的…

家による光熱費の違い(第二弾)-中編-

-前編から続く- 5.総使用エネルギー量 ガス使用量の集計では体積[m3]ではなくエネルギー[MJ]に換算して比較しました。 同様に、電気や灯油を含めて、全てをエネルギー量に換算したらどんな感じになるかを調べてみました。 電気は、1[kWh]=3.6[MJ]の換算…

家による光熱費の違い(第二弾)-前編-

以前、家による光熱費の違いを集計しました(下記)。 あれから5年。当時はC市のデータは1年分のみでしたが、その後追加1年分のデータが増えました。更にその後にC市の中でもう1回の引っ越しをしていますので、そのデータも増えました。これらを追加して、改…

LIXILはサーモスXを売る気が無いのかも

LIXILの高性能サッシの紹介サイトを見ていて、ちょっと気になることがありました。 そこでは4種類のサッシを高性能サッシとして並べて紹介しているのですが、どうもその中でサーモスXは売る気があるのか怪しいと感じる扱いになっています。 紹介されているの…

LIXILの超高性能サッシ「レガリス」

暫く住宅関係の情報収集をさぼっていたのですが、その間にLIXILが凄い性能のサッシを発売していました。 レガリスです。発表はもう1年以上前のことなので、今更感ありますが。 その性能は群を抜いていて、熱貫流率は0.55[W/m2・K]と圧倒的に低いです。謳い…

家による光熱費の違い-後編-

-前編から続く- 5.光熱費は? 電気、ガス、灯油の使用量は前回まとめました。 で、金額はどうだったのか? それが下記です。 これだけ見ると、オール電化の勝利!という感じです。 A市の家(プロパン併用)が年間20~22万円、B市の家(都市ガス;ガス依…

家による光熱費の違い-前編-

ここ数年で、二度の引っ越しを経て、都合3つの町、3つの家に住むという貴重な経験をしました。 それぞれ異なる特徴の家だったので、折角ですから光熱費の比較をしてみました。 1.それぞれの家の特徴 A市での家 電気とプロパンガス併用の住宅。アルミサッ…

高性能サッシの時代がついに来た

少し前に窓の進化が始まるかも知れないというネタを書きましたが、どうやらこれが現実のものになりそうです。 LIXILのプレスリリースによると、同社は超高性能サッシエルスターXを発売するとのこと。競合他社が高性能サッシを相次いで発売したため、最大手LI…

FASの家の落下試験-後編-

-前編から続く- ではこの実験の目的は何だったのか? 2つほどありそうなケースを考えました。 (1)消費者に対するアピール 工学的なデータを得ることが目的ではなく、消費者に対してFAS工法の躯体強度の強さをアピールすることが目的だったのかも知れま…

FASの家の落下試験-前編-

以前にkazuさんからコメントで、「FAS本部は使用済みの実験棟で落下実験をしようとしている」との情報を頂きました。その後、特にチェックもしていませんでしたが、昨日ふと気が向いてFASのウェブサイトを見てみたら、ありました、実験の様子を撮影したビデ…

二重窓で窓性能の不足を補う-後編-

-中編から続く- 5.二重窓は解決策になるか? ハニカムシェードで結露が生じてしまうのは、ハニカムシェードが熱は遮断できても水蒸気を遮断できないからです。 と言うことは、断熱だけでなく気密性も兼ね備えたものがあれば、解決策になってくれるかも知…

二重窓で窓性能の不足を補う-中編-

-前編から続く- 4.ハニカムシェードで結露が生じる理由 二重窓が解決策になるかどうかを考える前に、何故ハニカムシェード(類似の断熱ブラインドやカーテンも含む)では結露が生じるのかを考えます。 (1)サッシだけの場合 先ず、サッシだけの場合を…

二重窓で窓性能の不足を補う-前編-

高性能な住宅を実現する上で、大きな障害になっているのが窓の断熱性の不足です。最近は高性能な窓が出てきつつあり、特に私のようにⅣ地域に住む場合はそんなに性能不足を気にせずに済むようになってきたように感じます。 とは言え、より高い性能を求める場…

日射取り入れの難しさ

以前、日射を取り入れるのは暖房費削減に有効と書きました。 これが実際の住宅建築の現場でも難しい課題として立ちはだかっている事例を見つけました。それは、以前も引き合いに出した鵜野日出男さんのブログで紹介されていました。(これとこれです。) こ…

窓の進化が始まるか?

ネットで、YKK APの新製品情報を知りました。断熱性の高い樹脂サッシです。 新製品情報 : APW430 この新製品は2つの意味で住宅事情に大きな影響を持つように感じています。 1.住宅の高性能化への直接的貢献 このAPW430は熱貫流率(U値)が0.91[W/K・m2]と…

蓄熱材としての水とコンクリート

熱容量についての記事に、阿武隈高地さんから「蓄熱材としては水よりコンクリートが好ましい」というコメントを頂きました。 これについて考察します。 1.費用について 私はコンクリートの価格を知らないのですが、阿武隈高地さんによれば、「地域によるが…

熱容量を増やす手段-その手があったか-

オーブルデザインという建築事務所のブログを読んでいて、面白い工夫の事例を見つけました。 建物の熱容量を増やすための工夫です。(私が以前書いた熱容量を増やすための考察はこちら。) それはこちらのページの下の方の写真にありました。 その正体は、床…

免震装置の何故

SE構法の記事に、hir*_*9_100さんから免震装置に関するご質問を頂きました。 回答が長くなりそうなので、返信コメントではなく、投稿として考えるところを書いてみます。 なお、以下はあくまでも私の想像に基づくもので、事実とは異なる可能性があることにご…

オーバーヒートと窓ガラスの選定

最近何かと勉強させてもらっている鵜野日出男さんのブログには、冬期のオーバーヒートの話が出てきます。これは、冬に室内温度が上がりすぎてしまう話なのですが、簡単に言うと下記のようなメカニズムで発生します。 冬でも温かい家にしようとして、採光面を…

ダイキン「DESICA(デシカ)」の動作原理

先日、ダイキンのDESICAという除加湿換気設備についてちょっとだけ触れましたが、これの動作原理がイマイチ分かりにくいので、自分の頭を整理する意味で、どういう仕組みで除湿・加湿を実現しているのかをまとめてみます。 1.デシカント方式で空気中の湿度…

湿度制御の方法

室内の快適性には湿度が重要と書きましたが、では湿度を快適な値に制御するにはどうすればよいのでしょうか? 私は、「除湿はエアコンでやればいい、加湿は安価な加湿器が売られているので、それでやればいい」と簡単に考えていました。実際、それでも最低限…

一条工務店の「床冷房」-後編-

-中編から続く- 7.音がしないのは大きなメリット 人によって価値観が大きく変わるところですが、私は空調の音が大嫌いです。一条工務店の床暖房は、空調音がしない点でも好感を持っています。とは言え、冷房は普通のエアコン頼みなので、静かなのは暖房…

一条工務店の「床冷房」-中編-

-前編から続く- 床冷房が空調の方法として成立するかどうか、成立するとして快適かどうかについて考察を続けます。 4.空調として成立するか? 冷たい空気は下に溜まるので、床冷房は冷房として成り立たないのではないか? という突っ込みは正しいかを考…

一条工務店の「床冷房」-前編-

一条工務店が「床冷房」なるシステムを開発中だとの噂を、ネット上の情報で何度か目にしました。当初は「床暖房ならともかく、床冷房?がせネタじゃないの?」などと思っていましたが、どうやら開発していることは事実で、いくつかの展示場には開発中のシス…

寒いのに暑いのは何故か-後編-

-前編から続く- 2.輻射熱の効果 湿度に並んで大きな影響があるのではないかと想像されるのが、輻射熱の影響です。 輻射熱とは何の話かというと、全ての物質から放射されている赤外線のことです。サーモグラフという装置をご存じの方は多いでしょう。特殊…

寒いのに暑いのは何故か-前編-

夏のこの時期には、「冷房効き過ぎで寒いんだけど、何だか暑い」という不思議な不快感を体験することがあります。逆に冬は、「暖房効き過ぎで暑いくらいなのに、寒々しい感じが抜けない」という逆方向の不快感を感じることも。 そんな、「何だか得体の知れな…

FASの家の熱容量はやはり不十分らしい

以前、FASの家の熱容量(蓄熱性能)は看板倒れと書きましたが、それを裏付ける状況証拠を1つ見つけました。あくまでも状況証拠であって、明確に立証するものではないですが。 そのネタは皮肉にもFAS本部の公式ウェブ・サイト上にありました。本部である福地…

窓があると寒い家になる?

窓は住宅の「開口部」と言われ、室内から逃げる熱の主要な経路とされています。その為、冬に暖かい家を作りたいなら、なるべく開口を(つまり窓を)小さくすべきなどと言う意見も散見されます。そう言った意見は、「窓がないと採光も不足するから、無くすわ…