自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

二重窓で窓性能の不足を補う-前編-

高性能な住宅を実現する上で、大きな障害になっているのが窓の断熱性の不足です。最近は高性能な窓が出てきつつあり、特に私のようにⅣ地域に住む場合はそんなに性能不足を気にせずに済むようになってきたように感じます。
とは言え、より高い性能を求める場合、なかんずくⅠ、Ⅱ地域に住んでいる方にとっては、それでも十分とは言いがたいのが実状のようです。
そんな場合の解決策として、何か方法はないかと考えてみました。
 
1.基本は空気層を増やすこと
 断熱の基本は熱伝導率の低いもの(熱が伝わり難いもの)で空間を遮ることです。代表的な「熱伝導率が低い素材」は空気です。
空気はそれ自体で空間を遮ることは出来ないので、空気を内部に閉じ込めたもので空間を遮ることになります。それが壁用の断熱材ならグラスウールであり、窓なら光を通さねばならないので2重や3重のガラスだったりするわけです。
 
2.窓の場合は枠の部分がネック
窓の場合、ガラスはトリプルガラスなどの登場により、一応は寒冷地でもそこそ満足できる性能になってきているようです。よしんば不足だったとしても、ガラスの枚数を増やせば更に性能を上げられます。(実際、クアドラプル(4枚)ガラスというものも、世の中にはあるようですし。)
 
課題はサッシです。つまり枠の部分。
サッシは断面がこんな風になっていて、枠の素材を伝わる熱の出入りをなるべく小さくするように工夫されています。熱が伝わり難い素材(樹脂や木)を使うことに加え、形状でも工夫するというわけです。(この形状も、空気は熱を伝え難いという性質を活かした形になっています。)
しかし、これらの工夫を持ってしてもなお、枠部の断熱性は寒冷地域の要求に対して不十分なのが現実のようです。
 
3.二重窓はどうか?
 そんな現状に対して、「二重窓にする」という案が有効ではないかと考えました。ここでは価格が上がることはひとまず置いておき、性能だけに着目することにします。ここで考えねばならないのは、「価格に目をつぶりさえすれば二重窓で万事解決なのか」です。実はここにちょっと落とし穴があるように思います。
 
それは、「一重窓+ハニカムシェード」という良く知られた方法では、結露という問題が発生しているからです。(例えば先日頂いたファースさんのコメントでは、ご自宅の窓周りの壁に酷い結露が出るとのことですし、鵜野さんのブログにも、「結露防止のため、ハニカムシェードに少し隙間を空ける必要がある」との記述が頻繁に登場します。)
二重窓にも同じような障害があるなら、「これぞ解決策」とは言えません。
以下ではこの点を考察します。