自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

IH対応の鍋には要注意

2回目の引っ越しオール電化の借家に住むことになりました。当然、台所のコンロもIHなので、いくつかの鍋はIH対応のものに買い換える必要が出ました。
このIH対応鍋で失敗しました。
 
引っ越しでばたばたしている中で取り急ぎフライパンが必要というわけで、他の日用品も買うついでにニトリに出向きました。
良さそうなサイズのものがあり、「IH対応」と確かに書いてあるのですが、現品を見て何か嫌な予感がします。
店員を呼び止め、どの様に質問するのが適切か少々迷った上で、「オールメタル対応ではないIHでも使えるか?」と質問してみましたが、どうにも要領を得ません。勿論「大丈夫です」とは言いますが、「ラベルに『IH対応』って書いてあるんだから、対応してるに決まってるじゃないですか」と言わんばかりです。ラベルの表記がアテになりそうにないから質問してるんだよ、お姉ちゃん。
 
とは言え、やはりこの質問(不安)に対する適切な回答をニトリの店員さんに期待するのは無理があるでしょう。
仮に使えなくても所詮はニトリのフライパン。捨てても大した金額ではありませんし、他の店に回っている時間の余裕も無かったので、とにかく買って帰りました。
 
で、結論。
使えませんでした。
 
我が家のIHコンロは日立製の3kWのもの。火力は10段階に調節できるのですが、このニトリのフライパンを使いながら、火力を6以上に設定すると火力がむしろ弱くなってしまうのです。
火力を1→2→3→4→5と上げていくと、肉や野菜の焼けるジュージューという音が段々と勢いを増していきますが、6に設定したとたんに弱火の音になってしまいます。7以上に上げても同じく。どうやらIHコンロの保護回路が作動している感じです。
 
と言うわけで、引っ越し後早々に不燃ゴミが1つ増えてしまいました。
 
何でこんなことになってしまったのか、フライパンを見ている内に1つ気がつきました。このフライパンの底が下記の写真です。(少し使って汚れているのはご勘弁。)
イメージ 1
 
アルミ製の本体に埋め込むように、ステンレスの板が張り付けてあるのが分かります。
どうも、このステンレス板の形状が良くないのではないかと思われます。よく見ると分かるように、このステンレス板は丸い1枚の円盤ではありません。多数のスリットが入っていて複雑な形状になっています。
IHコンロはこのステンレス板に渦電流を流すことで鍋を発熱させるわけですが、この複雑な形状のステンレス板には、電流が上手く流れないと推定されます。スリットが入っていて、恐らくその部分で電流が本体のアルミ板の方に移ってしまっているのでしょう。アルミは抵抗が低くて、渦電流が流れてもあまり発熱しません。(だからIHには使えないことになっているわけでして。)
いずれにしても、このとき購入したフライパンは、IH対応と書いてあったにもかかわらず、実際にはIHでは使い物になりませんでした
 
後日改めて別の店で購入したIH対応フライパンは、このステンレス板が切れ目のない1枚板(正確に言うとパンチング穴が空いてますが)になっていました。で、こいつは火力を10まで上げても保護回路は働かず、火力表示に応じたパワフルな調理が出来ました。一安心。
 
それにしても、ニトリはこんな基本的なことさえ確認せずに、IH対応などと表記して売っているのでしょうか? 電機メーカや自動車メーカではあり得ない杜撰さです。これではお値段未満、ニトリと言わざるを得ません。
単なる小売店ならともかく、ニトリは自社ブランドで製造もしているのですから、ちゃんと作るものに責任を持って欲しいものです。
 
ともかく、勉強させられた1件でした。
 
IHの原理に基づく加熱(誘導加熱と言います)が正しく機能するかどうかは、 加熱コイルと金属板の形状が上手くマッチするかどうかにも依ります。要するに、今回のフライパンを正しく加熱させられるIHコンロが世の中にはあるかも知れないということです。我が家の日立製との相性はダメだった訳ですが。その意味では、ニトリを嘘つきと断ずることは出来ません。
ただ、聞いたこともない外国製のコンロならともかく、日立は大手の日本メーカです。主要なメーカのコンロとの相性確認さえせずに販売するのは、やっぱりモノを作る立場としては無責任だというのが私の意見です。