日立のエコキュート新製品
エコキュートの比較で、今選ぶならデンソーかなという結論にしました。
その後、早速日立のエコキュートがモデルチェンジを迎えたので、その性能・機能をチェックしました。
ウェブ・サイトを見て最初に気づく違いは、一押し機種が「井戸水対応モデル」から「通常の高性能モデル」に変わったことです。この、通常の高性能モデルが今回の新モデルです。ざっと見たところ、違いは下記です。
(1)年間給湯保温効率の向上
これが最大の改善点と言って良いでしょう。昨年モデルでは370L型で3.9、460L型で3.8だった年間給湯保温効率が、今年のモデルでは370L型で4.2、460L型で4.1と、0.3も上げてきました。これで370L型は三菱と並んで業界トップ、460L型は単独トップです。
しかも凄いのは、ふろの残り湯の熱回収機能を付けずにこの性能と言うことです。付けたら4.4くらい行くのではないでしょうか(370L型の場合)。勿論、コストをいくらでもかけられるわけではありません。日立の開発陣は「どうせコストをかけるなら、熱回収機能よりも他の部分にコストをかけた方が良い」と判断したのでしょう。その結果として素晴らしい性能を実現したわけです。
(2)キラリUVクリーン
これは三菱と同じ機能です。浴槽の湯を循環させるときに深紫外線を照射して殺菌し、雑菌の増殖を抑える機能。家族の中で1人遅れて遅くお風呂に入る人は勿論、翌朝残り湯で洗濯するときにも安心、というわけです。
生憎、我が家の場合はそれほど必要性の高い機能ではありません。おそうじ浴槽との両立が出来ないので残り湯汲み上げ専用配管は付けないことにしたくらいですから。
勿論、雑菌は繁殖しないに越したことはありませんが。
(3)シルキー快泡浴
これは浴槽内に微細な泡を発生させて、湯冷めしにくくする機能のことです。私の知る限り、エコキュートでは他に三菱とダイキンしか装備していません。
日立の昨年モデルにも快泡浴という機能はあって、それとの違いは良く分かりません。名前に「シルキー」が付いた所を見ると、泡が更に微小になったのかなという気はしますが。
ユニットバスにも同様の機能を持つメーカがありますから、そちらにあれば給湯器にはなくても良いことになりそうです。ただ、今のところ類似機能があるユニットバスはパナソニックとトクラスで、我が家が選ぶ可能性が高いTOTOとLIXILにはありませんので、エコキュートにこの機能が付いているのは悪くないのかも知れません。
どれほど快適なのかは、入ってみないことには分かりませんけど。
(4)湯はり時間が遅くなった
これは驚きです。家電品で前モデルよりも性能が劣るなんて、滅多にあることではありません。
昨年モデルでは、標準湯はりで12分、高速湯はりで7.5分でした。この7.5分ですら、「前は5分弱で湯はりできたはずなのに」と書いたくらいなのですが、最新モデルでは9.5分です(標準湯はりは12分で変わらず)。性能がどんどん悪化するとは、にわかには信じられません。高速湯はり機能で何かトラブルでも頻発させたのでしょうか?
とは言え劣化した9.5分の湯はり時間ですら、依然として業界トップレベル。これより速いものとして長府の6.5分がありますが、これは370L型だけで、460L型は11分と平凡。460L型では遅くなった日立が業界最速なのです。残念ですが諦めるしかないのでしょうか。私、結構この性能を重視しているのですが。
---------------------------------
さて、この新製品を見て選ぶ機種を変えるかどうか、ですが、ちょっと悩むのが正直なところですね。
前回は三菱、日立、デンソーで悩んで、僅差でデンソーとしたのですが、三菱の湯はりが大幅に速くなったり、日立の年間給湯保温効率が改善したら結論は変わるでしょう、としました。
で、日立の年間給湯保温効率がこれほど大きく向上したのですから、これだけであれば「現時点では日立」と結論を変更したいところです。しかし引っかかるのが湯はり時間が長くなったこと。依然として業界最速クラスとは言え、大きな差がなくなってしまっては、日立を選ぶ理由としては弱くなります。
とまあ、いろいろ考えたのですが結論は、今選ぶなら日立としましょう。
もっとも、この様子では他社が次のモデルチェンジを迎えたら、また結論が変わる可能性が高そうです。競争があるということは素晴らしいですね。有り難いです。