自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

再熱除湿エアコンの限界

今の家(借家)に越してきてから約一年半が経ちました。
この家には備え付けの設備としてリビングだけにエアコンが設置済みです。それ以外の部屋には自分でエアコンを付ける必要があるのですが、今回はそこで取り付けたエアコンのお話です。
 
1.温度を下げずに湿度だけを下げたい
エアコンの欠点の1つが、快適な温湿度環境を作り難いというものです。冷やすことは簡単ですが、その部屋に長時間居ると寒くなってしまいます。といって、長時間居ても寒くない程度の温度設定にすると、どうにも蒸し暑い。(そんな風に感じている人は多いのではないでしょうか。) 設定温度が1度刻みでしかできないというのもその理由の1つかも知れませんが、これが0.5度刻みになったところで、抜本的な改善になるとは思えません。多少マシと言うくらい。
 
この微妙な不快感の原因ははっきりしていて、湿度が高すぎるからです。湿度が低ければ、室温が高くても不快感は感じません。つまり、湿度が充分に下げられれば、温度をあまり下げなくても快適に出来ます。これなら室温を下げずに済みますから、寒くない快適空調を実現できるわけです。
 
これが実現できるのがエアコンの再熱除湿機能です。
エアコンには除湿機能が付いていますが、ほとんどのエアコンの除湿機能とは、「寒くなりすぎない様に、冷房を控えめにします」というだけのものです。冷房効き過ぎで寒く感じるのを防ぐことは出来ません。
しかし再熱除湿機能ならば、室温を下げずに湿度だけを下げることが出来ます。原理的には室温を上げながら除湿する、なんてことも出来ます。
新居の寝室にエアコンを導入するに当たり、是非とも一度再熱除湿を体験しようと思いました。
 
2.最近、再熱除湿は下火らしい
と言うわけで、「再熱除湿付き」を条件に電器屋に向かいました。ところが、これが少ない少ない。ほとんど選択肢がありません。
再熱除湿付きは比較的高級機に限られると言うことは知っていたので、多少の費用は覚悟していましたが、それ以前にほとんど対応モデルがありません。私の中では最近ダイキンの株が高いので、出来ればぴちょんくんに、と思っていましたが、店員さんに聞くとダイキンは再熱除湿機能を止めてしまったとのこと。残念。
2~3社の限られたメーカだけが再熱除湿機能付きをラインナップしていましたが、結局その中から富士通ゼネラル(nocria)の型落ち品を選びました。今年のモデルはいくら何でも高すぎて‥‥。
高いから敬遠されているのか、あまり売れないから高止まりしているのか、ちょっと残念な状況でした。
 
3.結果は期待ほどでもなかった
再熱除湿に期待する一方で、大したことないかもという危惧も実は持っていました。と言うのも、今住んでいる家(一戸建て借家)は気密性がかなり悪いからです。C値測定をしたわけでもないのに、何故気密性が悪いと言えるかというと、屋外の騒音がものすごくうるさいことから、その様に推定しています。どのくらいうるさいかというと、戸外の音があまりにうるさいので、「何で窓開けっ放しなんだよ」と思って閉めに行くと既に閉まっていた、と言うくらいです。随分前に、「気密性の高い家なら、閉じて暮らすも開けて暮らすも住む者の思いのまま。気密性が悪いと選ぶことができない」と言う趣旨のことを書きましたが、まさにそれを実感します。悪い意味でですけど。
で、気密性が悪いと言うことは、隙間から水蒸気がじゃんじゃん入ってくると言うことですから、いくら再熱除湿機能で頑張ってもダメなのではないかと心配していたわけです。
 
結果はどうだったかというと、結構寒いです、再熱除湿。
おかしいじゃないか、富士通ゼネラル。話が違うぞ!
 
気密性の高い家でこのエアコンを試したならば結果はどうだったのは、それは分かりませんが、どうも再熱除湿機能自体の本質的な限界なのではないかという気がします。と言うのも、湿度が下がらないだけなら家の気密性の低さが原因と考えることが出来ますが、寒くなるのはやっぱりエアコンのせいだと言わざるを得ないからです。
設定温度を上げた状態なら寒くならないだろうって? それは確かにそうなんですけど、それは暑いです。同じ設定温度の冷房モードよりも暑いです。使い物になりません。
 
と言うわけで、エアコンの再熱除湿機能に過大な期待は出来ないと言うことがよく分かりました。少なくとも富士通ゼネラル製のものに関しては。
 
4.多少快適だったのは除湿器の併用
この夏は試しに除湿器を併用してみました。使ったのは、たまたま所有していた日立製のヒートポンプ式の除湿機です。洗濯物を部屋干しするときなどに使う、アレです。これを寝るときに寝室で動作させます。そのままでは部屋が暑くなりますから、エアコンも(一応再熱除湿モードで)動かします。
これが1番快適でした。じめっと汗ばむ感じが無く、しかも寒くありません。これはいい。
ただ、除湿機の動作音が煩くってたまりません。もともとそういう目的に設計された機器じゃないので仕方ないのですが。
 
5.除湿の重要性は実感、問題は手段
除湿をしっかりやれば快適だというのは分かっていたのですが、改めてそれを実感できたのが収穫です。
もう1つの収穫は、しっかり除湿することの難度の高さが分かったことです。少なくとも再熱除湿エアコンを付ければ解決などと言う単純なものではないことが分かりました。
 
今後に向けて、どういう方法であれば十分なのか、引き続き考えていこうと思います。