自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

地中熱の採用事例が増えている‥‥のか?

先月の記事ですが、東日本大震災以降、地中熱の採用事例が増えているという記事を見つけました。こちらです。
 
この記事によると、「震災が発生した2011年から設置件数が急激に伸びている」とのことです。確かに1年当たりの設置数が2011年以降200件を超えています。きっかけは震災による省電力意識の高まりでしょう。
2013年末までの「累積」の設置件数は1,513件、その内の60%が住宅用とのことなので、900件くらいが住宅に設置されたことになります。設置場所はやはり北国が多く、中でも北海道は総数の約3割弱を占めます。住宅用だと250件くらいが北海道という計算でしょうか.。
 
「設置件数が2倍」という触れ込みに期待して読んでみましたが、まだまだ「普及が進み始めた」と言えるほどの状況ではないようです。普及が最も進んでいるアメリカに比べると、1/00にも満たない件数です。
やっぱり穴掘り費用をもっともっと下げられないとダメですね。
 
記事に有るように寒冷地での普及から温暖地(西日本まで)への普及につながる流れを期待したいところですが、この期待が現実になるには、未だ大きく2つのハードルがありそうです。
 
1つ目は、寒冷地ではヒートポンプに対する心理的抵抗が大きいこと。寒冷地には「エアコン(ヒートポンプ)なんか使い物にならない」という常識が浸透していると聞きます。地中熱ヒートポンプはその弱点を解消したヒートポンプなのですが、染みついたイメージを払拭するのは並大抵ではないように思います。
これが寒冷地での普及に対するハードルです。
 
もう1つは、仮に寒冷地で普及したとしても、それが寒冷地以外に波及することに対するハードルです。というのも、地中熱ヒートポンプの最大のコストは穴掘り費用です。穴掘りはあくまでも現場工事なので、ある地域で安く出来るようになったとしても、他の地域でもそれが成り立つとは限りません。重機の減価償却、現場作業の工夫による施工時間の短縮など、あくまでも「その業者ならではの低コスト化」ですから。
機器類の低コスト化は他の地域にも波及するでしょうが。
 
期待して読んだ記事でしたが、むしろ「未だ未だだなぁ」との認識を強くする結果になりました。