自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

積水ハウスのモデルハウス見学

お次は積水ハウスです。
言わずと知れた業界最大手‥‥、というのは後で知りましたが、森本レオがTVCMのナレーションをやっていた事くらいは知っています(今でもやってんのかな?)。

ここは軽量鉄骨、重量鉄骨、木造軸組の3種類の工法を持っているそうで、何でも有りのデパートです。
ただ、デパートだからなのかどうか、私の心に訴えてくるものがなーんにも有りません。
例えばこんな具合。


積 「当社は軽量鉄骨と木造軸組の両方をやっています。どちらをお好みのお客様にも対応できます」
私 「それぞれの特長は何ですか? 性能の差は?」
積 「どちらも同じです。お客様のお好みで選んでいただいています」
私 「好みって‥‥、善し悪しがあるから両方ラインナップしてるんじゃないんですか? 価格が違うとか?」
積 「昔は木造軸組の方が高かったのですが、今は変わりません。本当にお客様の好みです」
私 「特に善し悪しもないのに、『好み』ってどういう意味ですか?」
積 「当社は軽量鉄骨が基本で、そちらの方が多いのですが、やはり『どうしても木造が良い』とおっしゃるお客様もいらっしゃいますので」

うーん、そんな理由で大した差も無いものを2つもラインナップするのは感心しません。技術的に類似性があるならともかく、軽量鉄骨と木造軸組では、素材から工場でのプレ加工、現場施工に至るまでほとんど共通性がありません。その両方を持つと言うことは、技術開発も工場も現場施工スタッフも、何もかもをまるまる2つ抱えねばならないと言うことです。これは相当の無駄です。(勿論、重量鉄骨のように「それでなければ出来ないプランがある」というものならば、単純に無駄と切り捨てることは出来ません。)
積水ハウスは母数が非常に大きいので、2つに分けてもなお、それぞれが相当の規模ということにはなりますが、少なくとも「年間2万棟」という数字から来るイメージは、かなり修正する必要があるでしょうね。

唯一、積水ハウスならではの特長として記憶に残ったのは、土台を使わないと言うこと。基礎の上に直接柱を固定する工法をとっているそうです。営業の方の話を総合すると、

  • 建物の強度を高めるには、土台を介さず構造体を直接基礎に固定するのが有効。
  • その為には基礎から出るアンカーボルトの寸法精度が高くなければ、この方法は採れない。
  • それが可能になる高精度な基礎の工法を開発して実用化した。

ということでした。確かに、土台レスは強度を高めるのに有効という気はします。もっとも、肝心の「どの程度高まるのか?」が専門家でない私には分かりませんけど。
基礎そのものの強度についても力説されてましたが、先に説明を聞いた一条工務店でも同程度の事はやっている様ですので積水ハウスならでは、とは言い難いです。一条工務店は地盤条件次第で布基礎だけでなくベタ基礎も使い分けているのに対し、積水ハウスは布基礎だけ(その中にバリエーションはありますが)ですので、使い分けの選択肢が多い分、むしろ一条工務店の方がいいかなという気すらします

そうそう。これは積水ハウスに限りませんが、ほとんどの軽量鉄骨工法のメーカでは、断面がC型の鋼材を柱に使っています。加工が簡単で安いからなんだろうとは思いますが、見るからに強度は低そうです。各社、強度を上げるための工夫はしている(例えば積水ハウスではCを2つ背中合わせに組んで強度を増している)のですが、それでも「こりゃ丈夫そうだ!」という感じは全然しません。
実際には(建物全体として)十分な強度が出ているのでしょうし、気にしすぎとは思いますが、大船に乗った気がしないのは困ったものです。

とにかく、「これはいい! 是非積水ハウスで立てたい!」と思えるような特長がありませんでした。
何で年間2万棟も出てるんだろ?