自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

FASの家に体験宿泊-其の壱-

FASの家に体験宿泊してきました。今回はその感想です。

1.所在地は北海道

FASの家の開発元である福地建装は、北海道の北斗市にあります。(北斗市は北海道の最南端、函館市の西隣です。) でもって、体験宿泊ができるゲストハウス「げっかそう」(2020/04/19注:福地ホームのウェブ・サイトではげっかそうに関する記述が見当たらなくなっています)はそこから車で1時間程北に行った大沼公園の近くにあります。

真冬の2月に体験宿泊の日を設定したのは、冬の寒さに対してFASの家がどういう実力を見せてくれるかを知りたいからです。北海道の冬ともなれば、そりゃあもう寒いです。私が実際に住む地域よりはずっと寒いので、ちと極端な状態での評価になってしまいますが、それでも十分に暖かいのではないかと、期待は膨らみます。

欲を言えば夏の快適性が如何ほどかも体験したいところですが、残念ながら北海道では意味のある評価は出来ません。北海道では現在でもエアコンがない家がほとんどというくらい、夏の暑さがマイルドな土地ですので。(ここ数年の猛暑で、多少様子が違ってきているらしいですが。)

2.第一印象

体験宿泊当日は大変天気の良い日でした。気温が-1℃程度と高めで風が無いので、戸外でもキリキリと痛くなるような寒さではありません。普通に寒いだけ。うーん、この日の目的からすると、ちょっと残念。
このゲストハウスは宿泊者がいないときも含めて365日空調しているそうで、この日も到着した時点で「本領発揮」していたわけです。

で、室内に入ってみた第一印象。
うーん、何と言えばいいのか、「暖かくてぽっかぽか」という感じではありません。意外に普通な感じ。いえ、全然寒くはありません。その意味では、暖かいと言って全く間違いではありません。何せ外は(この季節にしては気温高めとは言え)かなり寒いのですから。でも、暖炉の前に居るような、あるいは炬燵に入っているような積極的な暖かさとはかなり異なります。何というか、「普通」です。

事前に想像していたのとは少々違う印象です。

3.家中どこでも「普通」な環境

担当者に案内されて家中を巡ってみます。
この家の暖房設備は電気蓄熱式が1階に2台、2階に1台の計3台。設置場所の直前はさすがに「ぽかぽかと暖かい」感じです。床面も床暖房があるかのように暖まっています(当たり前ですが)。でも、それ以外の場所は概ね「普通」です。

どう言ったらいいんでしょうね。全く寒さは感じません。それは確か。でも、寒い戸外から帰ってきて、「うー、寒い寒い」といいながらストーブに手をかざすような意味での「暖かさ」はありません。(蓄熱式暖房機に手をかざせばそれなりに暖かいですけど。)
そういう暖かさではなく、「全く寒さを感じない」という意味での「普通」が家中を満たしている感じです。

南に面したリビングは吹き抜けになっていて2階部分まで窓があり、天気の良さもあって太陽光が燦々と降り注いでいます。ここは「普通」ではなく積極的に「暖かい」です。太陽の偉大さを感じずには居られない瞬間です。無暖房も不可能ではない、を実感します。

床は一部を除いて無垢のフローリングになっています。せっかくなので、靴下を脱いで素足で一晩過ごしてみました。
台所やダイニングの床は部分的にPタイルになっていて少し冷たく感じます。その部分は長時間立っていたくないですね。足先がだんだん冷えてきて不快です。スリッパが欲しくなります。
一方、1階床のほとんどの部分は無垢フローリングで、パイン材ということもあり、冷たさはごく僅かです。冷え性の人でもなければ特に不快には感じないでしょう。靴下が欲しいかな。
階段の踏み板(これも無垢のパイン材)や2階の床はもう一段暖かく感じられ、これなら床暖は要らないと思えるレベル。逆に言うと、1階の床はもうちょっと冷たさ(という程でもないが)を和らげたい感じです。
まあ、そうは言っても、夕方到着してから翌日出発するまでのほぼ丸1日、結局はずっと素足で過ごして大きな問題を感じませんでしたから、一般的な意味では「暖かい」と表現して間違いありません。ただ、1日過ごしてみてしっくりくる表現は、暖かいではなく「普通」なんですね。この微妙なニュアンス、お分かり頂けるでしょうか?
私の今の住まいは風呂上がりで身体が暖まった状態ですら素足は勘弁という感じですから、「普通」である事自体が相当にレベルの高い話であることは踏まえておかねばなりません。ましてやこのゲストハウスは北海道に建っているのですし。

夜中に子供がぐずったのであやす必要があったのですが、そのときに窓際に行ったら少しひんやりした冷気を感じたそうです。(私は寝ていたので実は分かりません。親から聞いた話です。) その時の外気温は-15℃。こりゃたまらん。
これを「窓際が少しひんやり程度で済んでいるのは凄い」と解釈するか、それとも「FASの家はその程度なのか」とがっかりするかは考え方次第でしょう。
FASの家の窓はLow-Eペアガラス+樹脂サッシ+アルゴンガス封入という仕様で、一般的に使われている中では最強の断熱性ですから、これ以上を望むのはなかなか難しいでしょう。あえて言えば、更に内窓を付けて二重サッシにするか、日本板硝子スペーシア21を使うくらいです。
ま、私の居住地では-15℃なんぞにはなりませんから、そこまでする必要はなさそうです。

-其の弐に続く-