自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

音のしない空調が欲しい

これは全くの個人的趣味ですが、私は空調の音が嫌いです。パナホームのモデルハウス見学の時にも書きましたが、ファンの「ゴー」という音が常時響いているのは大嫌いです。空調ではありませんが、同じ理由でパソコンのHDDのスピンドルモータの音や冷却ファンの音も嫌いです。それだけの理由でSSDや水冷PCに食指が動くほどです。
まあパソコンはともかくとして、そんなわけで空調の静音化は私にとって非常に重要な項目です。

このご時世ですから、暖房の熱源はエネルギー効率の高いヒートポンプ(平たく言うとエアコン)に頼るべきでしょうし、冷房はそもそもヒートポンプしか選択肢がありません(特殊な方法はあるかも知れませんが)。そうなると、普通に考えてファンの音からは逃れられないことになります。

普通ならここで「仕方ないね」となるのですが、ある雑誌で紹介されていた太陽建築(2020/04/26注:リンク切れ)という住宅コンセプトを読んで、「無音の空調」に強く憧れるようになりました。そこには太陽建築の建物に入った感想として、「真冬で室内がぽかぽかと暖かいのに、空調の動作音が全くしない静寂な空間が広がっているのは不思議な感じがする」と書かれていました。
太陽建築はいわゆるパッシブハウスです。冬は太陽光による熱を最大限室内に採り入れ、熱容量の大きな躯体(コンクリートスラブ)に蓄えることで夜間の暖房も不要にすることを狙っています。冬の日照時間が短い山形県酒田市に建てた住宅ですら、補助暖房器具をONにすることはほとんど無いそうです。私が住むⅣ地域なら尚更でしょう。熱源が太陽光なので空調音はしません。完璧。

「あ、俺が欲しいのはこういうヤツだ」と思ったわけです。快適な室内環境であるにもかかわらず、静寂。素晴らしい。
このあたりから、「無音の(又は限りなくそれに近い)空調」を模索するようになりました。
一条工務店の全館床暖房もその意味においてほぼ理想的です。熱源はヒートポンプなので音を出していますが、どうせ室外にあるので問題になりません。太陽建築の方は無音なだけでなく省エネという利点もありますから、それに比べると総合では劣りますが、音だけについて言うなら、全館床暖房も同率首位と言って良いでしょう。

ただ、冷房はどうにもなりません。事実上エアコンしか選択手段がないので、「なるべく室内機の動作音が小さい機種を選ぶ」くらいしか手がないと思っていました。

そんなことを普段から考えていたので、24時間換気についても常に動作音を心配していました。モデルハウスでわざわざエアコンを停めてもらって、換気システムだけの音を聞かせてもらったりしていました。
特に何度も聞かせてもらったのは、一条工務店のロスガードの音です。何棟か聞きましたが、結構ばらつきがあって、普通にしていても耳に付くモデルハウスもあれば、吸排気口に10cmくらいまで耳を近づけないと聞こえないモデルハウスもありました。
結論としては、上手くすれば音を気にならなくすることはできるようだ、という感じです。

そんなある日、ふと思いました。「セントラル空調にすれば、24時間換気システムと同レベルの空調音にできるはずだよな」と。
ダクトの設計など、実際問題としてのハードルはありますが、原理的に言えば、「一条工務店の耳を近づけないと音が聞こえない換気システム」と同じレベルの静寂さにできるはずです。

とは言え、「よっしゃ、セントラル空調、採用!」とはいきません。「壊れたら全館の空調が全て止まる」とか、「一般に出回っているわけではない装置なので、修理に時間がかかるのではないか」とか、「家全体で1台で済むとは言え、高そう」など、否定的な理由も目白押しですから。

結論としては、未だどういう空調ポリシーにするかは決めていないのですが、少なくとも原理的には「ほぼ無音の空調」が可能と分かったので、どうやってそこに近づけるか、また、それに伴うリスクをどの様に抑え込むかについて、今後暫く考えたいと思います。
さて、良い方法が思いつくかどうか‥‥。