自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

タカラスタンダードのショールーム見学-中編-

-前編から続く-

4.シンク下に配置できる食洗機
今回最も勉強になったのがこの点です。
タカラはシンク下に食洗機を設置できる唯一のキッチンなのだそうですが、この説明を聞いて初めて、日本で何故食洗機が普及しないのかが理解できた気がします。

(1)一般的な食洗機は小さすぎる
設置場所の話の前に、食洗機の大きさの話です。
私は国内メーカ製のビルトイン食洗機は小さすぎると思っています。幅45cmのものは1度目の借家に装備されていたので使ったことがありますが、これは小さい! いえ、それでも十分に便利で、共働きの我が家には欠かせない設備になりました。一度知った便利さは手放せなくて、2度目の借家に引っ越した際には卓上型の食洗機を購入したほどです。
しかし、同時に感じました。卓上型が小さいのはまあ仕方ないとして、何故ビルトイン食洗機がこんなにちんけなサイズなのだろうと。食洗機メーカのカタログでは5人分とかが入ることになっていますが、一度でも使った人であれば、絶対入らないのは知っています。お椀などの深さのある和食器が入ってくると、尚更です。
それでも我が家は3人なので、食器だけなら辛うじて入ります。しかし、まな板や鍋となると全く入りません。大皿料理だったりすると、その大皿も入りません。結局手洗いが残ってしまいます。

 

一方、海外メーカだと幅60cmの大型食洗機が普通です。幅に加えて高さも十分にあるため、まな板も大皿も鍋も、全部放り込めます。手洗いが全く要らないという、この使い勝手が非常に重要です。中途半端に手洗いが残ると、「結局手洗いかよ‥‥」となる心理的ダメージが大きいからです(勿論、実際に手洗いに要する時間も負担です)。
これでは、「だったら食洗機なんて最初から要らない」となってしまう人が多いのも理解できます。
国内メーカに向かって、そんな中途半端な設備だからろくに普及しないんだよ、と悪態の一つも付きたくなるところです。

そんな風に感じる人の一部は、ミーレなどの海外製ビルトイン食洗機を導入しているのですが、あれはさすがに高い。40万円くらいします。国内メーカ製が(サイズが小さいとは言え)10万円を軽く下回るのに比べると、あまりにも高すぎます。15万円か、せめて20万円くらいにして欲しい。
何でこんなことになってしまっているのでしょうか?

私は国内メーカはバカなんじゃないかとすら思っていたのですが、私の方が考え足らずだったことが今回判りました。
以下はその話です。

(2)一般的な食洗機のレイアウト
食洗機を付けない場合、キッチンの引き出しのレイアウトはこんな感じです。

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ポイントになるのは、作業領域に一番近い引き出しの存在です。ここには使用頻度の高い器具を収納する、最も重要と言って良い引き出しです。
これに食洗機を組込むと下記の様になります。

イメージ 1

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こんな感じで、一般的な食洗機のレイアウトの場合、60cm食洗機を入れるとキッチンでの作業性がかなり悪くなってしまうのだそうです。この点はリンナイの説明の方に聞くまで全く気づきませんでした。
国内メーカが60cm幅の食洗機に力を入れないのは、バカだからではなく、ちゃんと理由があったわけです。

(3)もっと食洗機の容量が欲しい場合
幅60cmにすると使い勝手が悪いと判っていても、さすがに幅45cmでは容量不足。
これを解決するために、パナソニックは幅は45cmのままで深型(ディープ型)なるものを出しています。

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これね、苦肉の策としてはよく頑張っていると思いますし、カタログでは幅60cm品とほぼ同じ容量と言うことになっていますが、実際見てみると、大して容量増えてないです。まな板や鍋は入りそうもありません。

(4)タカラの場合
以上が一般的な食洗機レイアウトの話ですが、タカラスタンダードにはこれを解決するアイディアがあります。

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これには「なるほど!」と膝を打ちました。これなら使い勝手と食洗機の容量を両立できます。
これが冒頭に紹介した、「シンク下に食洗機を配置できる」ことの重要性です。
この説明を聞いた時点で、我が家はキッチンはタカラにする気満々になりました。見事に洗脳されました。

(5)国内メーカ製の幅60cm品は壊滅状態
洗脳されたまでは良かったのですが、調べてみると、国内メーカの幅60cm品には課題があることが判りました。古いのです。
 
私が調べた限り、国内メーカで幅60cmのビルトイン食洗機は、リンナイ製パナソニック製があります。ただ、価格コムで調べるとリンナイ製は発売日が2014年6月で、4年以上前です。パナソニック製に至っては2009年12月で、9年近く前。こんな古い機種が最新機種です。ほとんど旧石器時代の生き残りです。毎年の様に改良が進んでいる45cm品に比べると、やる気が無いにも程があります。
こんなので肝心の洗浄能力は大丈夫なんでしょうか?
多少ともマシっぽいのはリンナイですが、それでもリンナイの45cm最新機種と比べると、いろいろと機能的に劣ります。実使用上の差がどのくらいなのかまでは分かりませんが。
2020年3月29日追記
パナソニックから10年ぶりに幅60cmのビルトイン食洗機の新モデルが出ました。カゴが使い易くなった、洗浄力が上がった、など、一通りの性能向上があるようです。

本当にタカラの提案に乗ってしまって良いものか、最後の最後でちょっと不安になっていまいました。

とは言え、海外製の幅60cmは、(価格もありますが)上記の観点に照らすと食器洗い以外の使い勝手はかなり悪くなりそうです。(海外の家庭の様にキッチンが大きければ、上記はデメリットにならないのでしょうけれど。)

もう少し、結論を出すには時間がかかりそうです。