自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

ヘーベルハウスのモデルハウス見学

次に訪れたのヘーベルハウスです。会社名は旭化成ホームズといって、総合化学メーカである旭化成の子会社です。

3階建ての屋上で象が飼えるヘーベルハウスは、とにかく頑丈という印象があります。(当然ですが、実際には象は飼えません。いろんな理由で。)
一方で、この少し前に訪れたモデルハウス(何処だか忘れた)で「ヘーベルさんは大手の中で比べても少し価格が高め」と言われていたので、ちょっとドキドキしながらの訪問です。
では入ってみましょう。

おお、開放感あふれる気持ちの良いリビング!!
LDKとそれにつながる畳エリアが一つながりになっており、しかもその空間内に柱や壁が一切無い大空間です。しかも、庭側は2間幅の掃き出し窓になっているのですが、これが折り戸で2間幅が完全に開口するので、抜けるような開放感! 春先の良い時候だったこともあり、実に気持ちが良いリビングです。
間取りでこれほどまではっきりと「これは良い!」と感じたのは初めてです。インテリアのセンスも、もの凄いこだわりがあるわけではない私にとっては必要にして十分。無垢のフローリングが気持ちいい。

ヘーベルハウスの最大の特徴は「ロングライフ」だそうです。基本躯体構造は60年以上メンテナンスフリー、それ以外の外壁や屋根などは築後30年目に一度だけ集中的にメンテナンス(補修など)をするだけ。うーん、本当なら凄いですね。
説明を聞くと、ヘーベルハウスとしての様々な工夫が全て「ロングライフ」というキーワードのために行われていることが分かります。
何は無くともロングライフ。

ヘーベルハウスの名前の由来になっているのがヘーベル板と呼ばれる軽量発泡コンクリート板です。これが無くては始まりません。これを壁、床、天井に張り詰める事から、ヘーベルハウスの名前は付けられているようです。とは言え、この板はヘーベルハウスの専売特許ではなく、同様のものは他社でも量産されていますし、使っている住宅メーカもあります。ヘーベル旭化成の商品名で、一般にはACLと呼ばれます。

  • 経年劣化が極めて少ないヘーベル板で壁、床、天井を構成することでロングライフを実現。
  • 60年間も住み続けるには、ライフスタイルの変化への対応が必要。この為、室内の耐力壁を極力少なくし、躯体としては大空間を確保する。こうすることでリフォームの自由度が大きく向上する。
  • 勿論、その上で高い耐震性の確保ができていなければならない。この為、制震構造を標準とする。
  • ヘーベル板の壁により、隣家の火災からのもらい火の可能性が低い。ヘーベル板は自身が燃えないだけでなく、熱伝導率が低いため、内装の木材などに熱を伝え難い。
  • ヘーベル板は水に弱いが、3層の塗装(ロングライフコート)で万全の保護を実施。この塗膜も30年の耐久性を確保。

まあ、こんな感じで、全てがロングライフ一直線。主張がはっきりしていて、実に分かり易いです。

ヘーベルハウスには重量鉄骨のラインナップもありますが、基本的には軽量鉄骨です。ただ、他の軽量鉄骨系のメーカと違って、柱の鉄骨の断面が、C形状ではなく、ロ形状をしています。柱単体の強度としては、他社よりもかなり強いはずです。(だから家の強度もそれに比例して強い、という単純な話にはなりませんが。)
また、中空部分は上下で密封されているので、外界に晒されるのは外側だけです。鉄板の両面から錆が進行する他社の鉄骨に比べて、錆耐性は優れていることになります。(鉄が錆び始めてからの期間で言うと、単純に2倍の錆耐性を持っていることになります。但し、その前段階で防錆塗装や防錆メッキが鉄を守る期間が少なくとも数十年は有るはずなので、鉄の錆が始まってからの期間だけで建物寿命を比較する訳にはいきません。)
とまあ、具体的なデータを持っていないだけに歯切れの悪い言い方しかできませんが、ヘーベルハウスが他の軽量鉄骨系メーカよりも寿命や強度に対して半歩か一歩進んでいるという印象は多分正しいと思います。

高い耐震性を活かして、3階建ての比率が高いとのこと。しかも屋根にもヘーベル板を使うので、僅かなコストアップで屋上が使えるそうです。つまり、3階建て+屋上ガーデンなんてのが、割と簡単にできてしまうわけです。東京都でシェアNo.1なのも頷けます。もっとも、私の場合は田舎住まいなので、3階建ても屋上ガーデンも不要ですが。

唯一残念なのが、断熱性、気密性をあまり重視していないこと。
ヘーベル板は断熱性が高いそうですし、カタログにも「高い断熱性」と謳ってありますので、さぞかし断熱性が高いのだろうと思ってQ値を聞いてみましたが、「プラン(間取り)によって変わるので、一概にQ値はこうとは言えないんです」とか、「うちはそこでは勝負していないんです」などとはぐらかして教えてくれません。言わないと言うことは、言いたくない程度の性能と言うことなんでしょうね。
「他社さんは確かにQ値がいいかも知れませんが、問題は『その性能を長期間維持できるかどうか』なんです。うちはそこに注力しているんです」
うーん、営業トークとしては実に秀逸で、つい納得しそうになりますが、冷静に考えればショボイ性能が長期間維持できても全然嬉しくありません。性能が長期間維持できるなら尚更、初期性能が重要でしょう。
ヘーベルハウスのQ値は一体いくらなのでしょうか? うーん、知りたい。(後日ネットで調べたところ、2.7と書いてあるウェブ・サイトを見つけました。正しい情報かどうかは分かりませんが。)


断熱性が今ひとつらしいというのが私の希望には添いませんが、その強烈な個性は十分「一次選考通過」に値します。
いやぁ、やっと一条工務店
に次ぐ検討候補が出てきて、嬉しい限りです。