自宅新築日記

自宅の新築にまつわるあれこれを綴っていくつもりです。

「原理的に有利」だからと言って良いモノができるとは限らない

今回は、「原理的に有利」だからと言って良いモノができるとは限らない、というお話。

これは珍しい話でも何でもありません。例えば住宅建築の業界でよく言われる、「いくら良い(ハズの)もの・良い(ハズの)工法でも、施工がダメなら台無し」というのもその1つです。
何故そんな話を持ち出したかというと、面白い話を聞いたのでそれをご紹介しようと思ったんです。
聞いた面白い話とは、壁体内結露の話。某ハウスメーカの営業の方から聞きました。

先ず前振りですが、パナホームはハウスメーカとしては珍しく第2種換気システムを採用しているのはご存じでしょうか?
第2種換気とは、吸気を機械で行って、排気は自然に出て行くに任せる方式のことで、壁体内結露を誘発するため住宅では使うべきではないと言われている方式です。それをパナホームは使っているのです。
当然、パナホームの断熱材(グラスウール?)はカビだらけと思いたくなります。

で、ここからが本題。
先日某ハウスメーカの営業さんから聞いた話です。その方は住宅展示場に勤務されているので、他社のモデルハウスの解体現場を見ることがしばしばあるそうです。モデルハウスは多くの場合4~5年で建て替えられるので、比較的最新に近い仕様の建物を、大した築年数も経ずに解体することになります。当然、状態は良好のハズです。
が、その時点で既に断熱材がカビで真っ黒になっているハウスメーカもあるそうです。その営業さんの見てきた中では、積水ハウスミサワホームがそんな状態だそうです。
一方、パナホームの断熱材はきれいなもんだそうです。第2種換気を採用していて、最も断熱材にカビが生えそうなパナホームですが、実際にはそうではないらしい。こちらの記事(2020/04/27注:リンク切れ)によると、パナホームでは冬には換気システムを停めるらしいので、単にそれが効いているのかも知れません。しかし、壁内通気工法とか第3種換気などセオリー通りで、壁体内結露には比較的縁遠いはずの積水ハウスミサワホームがカビだらけというのは皮肉なものです。

と言うわけで、「原理的に良い/悪い」と言うのは大いに参考になるとは言っても、それだけで本当の優劣が決まるとは限らないというお話でした。
勿論、だからと言って「材料や工法にこだわるのなんか無駄」という話にはなりません。それは極論過ぎます。ただ、原理的に良いものだからと言って安心していると、足下をすくわれることがたまにはありますよ、ということです。現実には、原理的に良いものが最終的にも良いものになることの方が多いです。
それと、そもそもその営業さん(上記の話に登場する3社以外のハウスメーカの方)が言っていることが信用できるのか? という話もあると思いますが、それはまあ、信じるにしても疑うにしても自己責任で、ということですね。私はその営業さんとの(この件以外も含めた)様々なやりとりを踏まえて、上記の話は信用するに足ると判断しています。もっとも、私は既にこの3社を候補から落としており、たとえ嘘だったとしても痛くも痒くもないので、気楽に信じられるという立場ではありますが。

と言うわけで、今回は原理的な優位性と実際にできたものの優劣のお話でした。